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世界・アジア太平洋地域経済見通し―広がる復興の差、回復を進める

開催案内

世界経済の見通しを取り巻く不確実性は大きい。成長率予測は上方修正されたものの、ワクチン接種状況や政策支援規模の違いにより、各国間や各国内での経済回復の差が拡大しつつある。パンデミックが続く間は危機の収束、医療支出の優先化、的を絞った財政支援の提供、緩和的な金融政策の維持に重点を置くべきだが、回復が進むにつれて、労働者の再配分、パンデミックの傷跡を最小限に抑えるための施策、強靭で環境に配慮した経済構築などが求められる。財政面では短期的な支援を中長期的財政枠組みの中に位置付け、支出の固定化による非効率性を回避することが肝要である。普遍的なワクチン接種、国際流動性への十分なアクセス、気候変動の緩和、国際法人課税の刷新、貿易やテクノロジーをめぐる緊張の解消といった課題に取り組むための強力な国際協調も不可欠である。本講演では、IMFによる「世界経済見通し(WEO)」の内容に基づき、世界・アジア太平洋地域の経済見通しや中期的な課題について紹介する。

イベント概要

  • 日時:2021年5月26日(水)
  • 開催方法:YouTubeライブ配信
  • 開催言語:日本語
  • 参加費:無料
  • 主催:独立行政法人経済産業研究所(RIETI)
  • お問合せ:経済産業研究所コンファレンス担当 湯原
    E-mailアドレス
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講演者・略歴(敬称略)

  • スピーカー:鷲見 周久(国際通貨基金(IMF)アジア太平洋地域事務所所長)

    2016年9月28日にIMFアジア太平洋地域事務所(OAP)所長に就任。IMFワシントン本部ではアジア太平洋局(APD)等に7年間在籍し、その間、対フィリピン、シンガポール、ニュージーランドおよびフィジーIMF代表団を率いるなど、様々な国を担当した。また、同局の金融セクター・サーベイランス(監視)グループ代表を務め、2015年には"The Future of Asian Finance"を出版するなど、アジア金融の将来に関するプロジェクトを主導した。IMF着任前は、財務省副財務官、理財局国庫・国債担当審議官、金融庁総務企画局参事官など日本政府で要職を歴任した。財務省で国債管理政策を担当していた際には、徹底した市場との対話を通じ、金融市場参加者との友好的関係を築いた。東京大学法学部卒業、米ハーバード大学にてMBAを取得。

  • コメンテータ:中島 厚志(RIETIコンサルティングフェロー / 新潟県立大学国際経済学部教授)
  • モデレータ:佐分利 応貴(RIETI国際・広報ディレクター / 経済産業省大臣官房参事)