激動する中東情勢ートルコのアプローチを手掛かりにー

中東情勢はトランプ政権末期にイスラエルとUAE、バハレーン、スーダン、モロッコなどが関係を正常化するなど大きな動きを見せた。また、シリア内戦、イエメン内戦も継続しており、東地中海、さらには北アフリカや紅海で域内大国同士の勢力争いが激しくなっている。こうした域内大国の中で活発な動きを見せているのがトルコである。トルコは2010年代半ばまでは域内の安定を担保する役割を目指してきたが、現在のトルコの中東域内への関与はむしろ対立を引き起こす要因となっている。本講演ではトルコの外交戦略、トルコの域内大国と域外超大国との関係を軸に激動する中東情勢について概観し、今後の動向について検討したい。