開催案内
グローバルな金融危機を受け、世界各国は、金融市場安定化策や国内景気安定化策などを講じています。その中で、政府による自国産業の救済措置や貿易・投資を阻害する可能性のある政策が検討または実行されています。米国におけるビッグ3への融資や、バイ・アメリカン条項を含む景気対策法の成立はその最たるものですが、先進国や発展途上国を問わず、同様の動きがあることは否めません。一方で、世界のリーダー達は、昨年11月のG20において、今後12カ月の間、新たな貿易制限措置を設けないこと、およびWTOドーハラウンドを早期に終結させるため交渉モダリティについて合意するべく努力すること等を約束しています。同様の声明は、同じく昨年11月のAPEC首脳会合でも発表されました。有識者の間にも、1930年代に保護主義がもたらした弊害を踏まえ、自由貿易体制を堅持する必要性については共通の認識があるといえます。しかしながら、G20/APECの合意内容の具体化や実効性の確保のための議論は、十分になされているとはいえません。今こそ、国際貿易やWTO体制についての深い理解と洞察に基づく政策的議論が求められています。
以上のような問題意識の下、RIETIでは、国際的に著名な貿易の専門家であり、かねてからの自由貿易体制の強力な支持者であるRichard Baldwin教授等をお招きし、「世界経済危機下での貿易政策:保護主義にどう立ち向かうか」というミニ・ワークショップを開催いたします。参加される皆様方とのディスカッションを通じて、今後の貿易政策の展望と4月2日にロンドンで開催されるG20へのメッセージが浮き彫りになることを期待しています。
イベント概要
- 日時:2009年3月27日(金) 12:30~14:00
- 会場:経済産業研究所セミナー室(経済産業省別館11階1121)
- 開催言語:英語(同時通訳なし)
- 参加費:無料
※本ワークショップは引用禁止です。
プログラム
司会進行:星野 光秀 (RIETI研究調整ディレクター)
12:30 - 12:35 開会挨拶
藤田 昌久 (RIETI所長・CRO/甲南大学教授)
12:35 - 12:55 プレゼンテーション
"The collapse of global trade, murky protectionism, and the crisis: Recommendations for the G20"
Richard Baldwin (Professor, The Graduate Institute and Policy Director, CEPR)
12:55 - 13:05 Q&A
13:05 - 13:25 プレゼンテーション
"Fighting against Protectionism: The View from the Front Line"
宗像 直子 (経済産業省通商機構部参事官)
13:25 - 13:35 Q&A
13:35 - 14:00 ラウンド・テーブル・ディスカッション
*同日9:00~12:15、14:15~16:50には、CEPR-RIETI国際ワークショップが開催されました