RIETI政策シンポジウム

イノベーションの過程とそのパフォーマンス:日米欧発明者サーベイからの主要な発見と教訓

開催案内

日本経済の今後の成長のために企業、大学等における優れた研究開発とその効率的な商業化が極めて重要です。日本産業は従来世界的に見ても高い水準で研究開発を行ってきており、それが産業成長の重要な源泉ともなってきました。しかし最近では以下のような大きな課題に直面していると考えられます。
(1)世界的な研究開発競争の高まりの中で日本産業においてもサイエンスの成果を効果的に吸収し活用する能力強化が重要になっているが、そのあり方。
(2)研究開発の生産性を高める上での、産学連携を含む研究開発における組織間連携のあり方。
(3)研究開発の生産性を高める研究者への誘因のあり方。
(4)ライセンスなど技術市場の活用のあり方。
(5)知的財産の開示と保護、標準設定ルールなど研究開発のインフラ整備や政府による基礎研究支援のあり方。

経済産業研究所では、こうした日本のイノベーションの課題についての研究を深めるために、日本の発明者を対象に、研究開発の目的と過程、知識源、スピルオーバー、特許取得の動機、成果活用戦略、発明者のプロファイルと動機などをカバーする調査を2007年の前半に行い、5300名に近い発明者からの回答を得ることが出来ました。また、米国のジョージア工科大学の協力によって、米国でも日本とほぼ同じ調査票に基づいた調査を行い、1900名の発明者からの回答を得ました。こうした日米の調査は欧州で2003年から2004年に行われた欧州発明者サーベイ(対象約9000名)をベースに、これを内容的に大幅に拡張したものです。

本シンポジウムでは、発明者サーベイの主要な結果を報告すると共に、米国と欧州の代表的なイノベーション学者の参加も得て、日米欧の比較分析によって日本のイノベーションの構造的な特徴を明らかにし、今後のイノベーションパフォーマンスを高めていくための方法を議論いたします。

イベント概要

  • 日時:2008年1月11日(金) 9:45-18:00
  • 会場:大手町サンケイプラザ 3F (東京都千代田区大手町1-7-2)
  • 開催言語:日本語⇔英語(同時通訳あり)
  • 参加費:2,000円(交流会費を含む)[公印を捺印した領収書を発行いたします]
    (学生証提示の場合は1,000円)
  • 主催:独立行政法人経済産業研究所 (RIETI)
  • お問合せ: RIETI ニシキ
    Tel: 03-3501-8398 Fax: 03-3501-8416

※シンポジウム終了後、インターネットにて当日の模様の一部をビデオ映像でご紹介(動画配信)する予定です。また資料も後日、本サイトからダウンロードしていただけます。

【シンポジウム映像の撮影と利用について】

プログラム

9:45 - 9:50 開会挨拶

藤田 昌久 (RIETI所長・CRO/甲南大学教授/京都大学経済研究所特任教授)

9:50-12:40 第1部 基調講演と報告(1)

セッションチェア:児玉 文雄 (芝浦工業大学専門職大学院教授・技術経営研究センター長/東京大学名誉教授)

9:50 - 10:40 基調講演1 「イノベーションパフォーマンスの決定要因:経済学からの知見」

ブロンウィン・ホール (カリフォルニア大学バークレー校経済学部教授)

10:40 - 10:45 休憩

10:45 - 11:25 報告1 「発明者サーベイからの主要な知見(1):研究開発成果の商業化」

長岡 貞男 (RIETI研究主幹/一橋大学イノベーション研究センター長・教授)

11:25 - 12:05 報告2 「発明者サーベイからの主要な知見(2):発明の過程-知識源・連携-」

ジョン・ウォルシュ (ジョージア工科大学公共政策学部准教授)

12:05 - 12:20 概評

リチャード・R・ネルソン (コロンビア大学名誉教授)

12:20 - 12:40 Q&A

12:40 - 13:30 ランチブレイク

13:30 - 15:20 第1部 基調講演と報告(2)

セッションチェア:岡田 羊祐 (一橋大学大学院経済学研究科教授/公正取引委員会競争政策研究センター主任研究官)

13:30 - 14:20 基調講演2 「欧州発明者サーベイからの政策含意」

アルフォンソ・ガンバルデッラ (ボッコーニ大学経営学部教授)

14:20 - 15:00 報告3 「企業特性と発明者のモチベーション」

大湾 秀雄 (青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授/一橋大学経済研究所客員教授)

15:00 - 15:20 Q&A

15:20 - 15:30 コーヒーブレイク

15:30 - 17:55 第2部 パネル討論「今後の研究開発のあり方」

モデレータ:長岡 貞男 (RIETI研究主幹/一橋大学イノベーション研究センター長・教授)

パネリスト(順不同)

秋元 浩 (武田薬品工業(株)常務取締役)

江崎 正啓 (トヨタ自動車(株)理事 知的財産部主査)

長我部 信行 ((株)日立製作所基礎研究所所長)

和田 修一 (内閣府政策統括官(科学技術政策・イノベーション担当)付参事官(基本政策担当))

土井 良治 (RIETIコンサルティングフェロー/経済産業省産業技術環境局研究開発課長)

和田 哲夫 (学習院大学経済学部教授)

ブロンウィン・ホール (カリフォルニア大学バークレー校経済学部教授)

ディートマー・ハーホフ (ミュンヘン大学(LMU)イノベーション研究所長・教授)

17:30 - 17:55 Q&A

17:55 - 18:00 閉会挨拶

及川 耕造 (RIETI理事長)

18:00 - 19:00 交流会

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*上記プログラムの講演内容及び講演者は状況により変更することがありますのでご了承下さい。