企業ネットワークのグローバル化とアウトソーシング

急速に進む経済のグローバル化は企業間・企業内の国際的な取引関係・業務分担に大きな影響を及ぼしつつあります。欧州の市場統合が進展するにつれ、国内に残る競争力ある部分は、産業・企業といったレベルで考えるよりも企業内の特定業務となる傾向があるという指摘があります。こうした最適な国際分業レベルの細分化は予測可能性を低下させ、経済政策にも大きな影響を及ぼすことは必至です。

また、アジアを中心に急速に進む日本の製造業の海外展開の中で、今後どれだけ、またどのようなスピードで研究開発機能の海外アウトソーシングが進むのかは、日本経済の今後の展望を大きく左右するものであり、何よりも正確な実態把握と政策への影響の議論が求められています。

経済産業研究所は、欧州屈指の政策シンクタンクCEPR(Centre for Economic Policy Research) との国際共同セミナー第2回目として、両機関を代表する国際経済学者をお招きし、最新動向に即した研究成果を相互に発表し、その政策的な意義を議論します。