イベント概要
- 日時:2007年3月22日(木) 13:00-18:00、3月23日(金) 10:00-17:10
- 会場:東京全日空ホテル B1F ギャラクシーの間 (東京都港区赤坂1-12-33)
配付資料
総合司会:木村 貴子 (RIETI)
開会挨拶
若杉隆平(RIETI研究主幹・ファカルティフェロー/慶応義塾大学経済学部教授/横浜国立大学名誉教授)
1971年東京大学経済学部卒業、通商産業省(現経済産業省入省)。横浜国立大学経済学部・大学院国際社会科学研究科教授(1992-2004年)。この間、同大学経済学部長(1998-2000年)、同大学副学長(2000-2003年)を兼任。2004年より現職。2006年よりRIETI研究主幹・ファカルティフェローを務める。主な研究分野は国際経済の実証分析、イノベーションの経済分析。東京大学経済学博士。主な著作物:『国際経済学』岩波書店, 2001;「薬事制度」矢野誠編著『法と経済学』東京大学出版会, 2007
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Part I FTA条文による質の評価
セッション1:財貿易:原産地規則
チェア:浦田秀次郎(RIETIファカルティフェロー/早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)
1973年慶應義塾大学経済学部卒業。1976年スタンフォード大学経済学部大学院修士号取得、1978年スタンフォード大学経済学部大学院博士号取得。1978-1981年ブルッキングズ研究所研究員、1981-1986年世界銀行エコノミスト、1986年より年早稲田大学社会科学部専任講師、助教授、教授を経て、2005年4月より現職。また、1995年より日本経済研究センター主任研究員としても活躍。早稲田大学在職中、1995-1999年経済企画庁経済研究所客員主任研究員、1997-1999年国民金融公庫総合研究所所長を兼務。研究分野、 主な関心領域は、国際経済学、開発経済学。主な著作物: 『日本のFTA戦略』(日本経済研究センターとの共編著),日本経済新聞社, 2002;『FTAガイドブック』(編著),日本貿易振興会, 2002;『アジアFTAの時代』(日本経済研究センターとの共編著), 日本経済新聞社, 2004;『日本の新通商戦略』(馬田啓一、木村福成との共編著), 文眞堂, 2005
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プレゼンテーション "Rules of Origin (ROO) in Free Trade Agreements"
Inkyo CHEONG(Professor of Economics and Director for Center on FTA Studies, Inha University)
ハンヤン大学にて経済学学士号取得の後、ミシガン州立大学にて修士号および博士号(経済学)取得。韓国のFTA政策形成や日本、アメリカ、ASEANなどとの主要FTAの経済的実現可能性(経済的採算性)の研究に積極的に取り組む。KIEP(韓国対外経済政策研究院)では、リサーチ・フェローとして(1996-2004年)、東アジア・ビジョン・グループ(EAVG)においては、Secretariat Generalとして活躍(1999-2000年)。FTA政策に関して外交通商部などの政府機関に助言を与えるとともに、チリ、シンガポール、ASEAN、日本など各国との二国間FTA交渉に参加。主な著作物: East Asian Regionalism: Prospects and Challenges, Springer, 2005; Korea-Japan FTA: Toward a Model Case for East Asian Economic Integration, KIEP, 2005
CHO Jungran(Research Fellow, Center on FTA Studies, Inha University)
FTAにおける貿易体制、主に韓国とチリ、シンガポール、ASEANとの二国間FTAを研究。近年の研究分野としては、FTAビジネスモデル、通関手続や主要FTAにおける特恵原産地規則が挙げられる。現在、韓国関税庁のアドバイザーも務める。2000年拓殖大学卒業後、同大学大学院にて修士号、博士号取得(商学博士)。拓殖大学経営経理研究所研究員(2005年-2006年)を経て、2006年3月より現職。主な著作物: Rules of Origin in FTAs, Korea Economic Research Institute, 2005, "Japan's Positionabout the Discussion on East Asian Economic Integration", International Regional Studies, Hankuk University of Foreign Studies, 2006
ディスカッサント:Antoni ESTEVADEORDAL(Principal Advisor, Integration and Regional Programs Department, Inter-American Development Bank)
バルセロナ大学経済学学士号取得。専門はラテン・アメリカとカリブ海、アジアとヨーロッパなどの貿易、経済統合・協力政策。米州開発銀行(IDB)のWTO、OECD、国連機関などとの連携や、技術支援、貿易・経済統合問題に関する政策研究の調整を取り纏める。IDB入行前は、バルセロナ大学やハーバード大学にて教鞭を執る。ハーバード大学修士号、博士号(ともに経済学)取得。主な著作物に、The Origin of Goods: Rules of Origin in Preferential Trade Agreements (共編, Oxford University Press-CEPR, 2006)の他、著書、American Economic Review、Quarterly Journal of Economics等雑誌への寄稿多数。また、IDB報告書の取り纏めも行う。
セッション2:財貿易:農産物貿易の自由化
チェア:浦田秀次郎(RIETIファカルティフェロー/早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)
プレゼンテーション "Agricultural Liberalization in Free Trade Agreements"
Inkyo CHEONG(Professor of Economics and Director for Center on FTA Studies, Inha University)
CHO Jungran(Research Fellow, Center on FTA Studies, Inha University)
ディスカッサント:大賀圭治(日本大学生物資源科学部教授)
1967年東京大学を卒業後、農林省に入省し、1974年わが国では始めての世界食料需給モデルを開発、予測を行う。国連食糧農業機関(FAO、ローマ本部)、国際食料政策研究所(IFPRI、ワシントンDC)勤務を経て、国際農林水産業研究センターの海外情報部長、企画調整部長として国際研究協力に従事。1998年から東京大学大学院農学生命科学研究科の教授、2004年からは日本大学生物資源科学部の教授として、国際的な食料・環境問題の研究、教育に携わっている。アジア太平洋経済協力会議日本委員会食料・農業小委員会委員長。FAOシニアコンサルタントとしてASEAN食糧安全保障モデル開発の指導も行う。主な著作物: 『2020年世界食糧需給予測』農山漁村文化協会, 1998; 『食料と環境』岩波書店, 2004
セッション3:サービス貿易
チェア:Robert SCOLLAY(Director, APEC Study Centre, and Associate Professor of Economics, The University of Auckland)
ヴィクトリア・オークランド大学やケンブリッジ大学にて学ぶ。民間企業の国際貿易会社に勤務の後、オークランド大学経済学部にて教鞭を執り、1995年にはNew Zealand APEC Study Centreのディレクターに任命される。近年ではInstitute for International Economics、UNCTAD、 Institute of Southeast AsianStudies、Bocconi University、 the Sorbonne UniversityやUniversidad del Pacificoにおいて客員研究者となる。また、国際機関やニュージーランド政府機関などの様々な機関において研究コンサルタントとして活躍。最近の研究や出版は、特にアジア太平洋地域の地域貿易協定や地域統合、また多国間の自由化・グローバル化に焦点を当てる。
プレゼンテーション "Services in Free Trade Agreements"
Christopher FINDLAY(Head and Professor, School of Economics, The University of Adelaide)
オーストラリア国立大学(ANU)Asia Pacific School of Economics and Governmentの経済学教授や、オーストラリア研究会議によるサービス貿易や投資の障壁に関する長期研究プログラムの主任研究員を歴任。研究テーマは、オーストラリア経済とアジアの関係。特に、中国経済の改革と産業化に関心を持つ。ANUにて博士号、経済学士号取得、アデレード大学にて優等学位(経済学)を取得。また、2007年1月にはAM (Member of the General Division of the Order of Australia)の称号を与えられる。主な著作物: Competition Policy in International Airline Markets: An Agenda and a Proposed Solution(共著), 2006; Measuring the effect of food safety standards on China's agriculturalexports(共著)
ディスカッサント:木村福成(慶應義塾大学経済学部教授)
1982年東京大学法学部卒業。(財)国際開発センター研究助手、ニューヨーク州立大学オルバニー校経済学部助教授、慶應義塾大学経済学部助教授等を経て、2000年より現職。International Economics and Finance Society、日本経済学会、日本国際経済学会、開発技術学会、東アジア経済学会に所属。専門分野は国際貿易論、開発経済学。ウィスコンシン大学博士号(経済学)取得。主な著作物: 『東アジア国際分業と中国』(丸屋豊二郎、石川幸一共編著) 日本貿易振興会, 2002; 『加速する東アジアFTA:現地レポートにみる経済統合の波』(鈴木厚共編著) 日本貿易振興会,2003
セッション4:直接投資
チェア:Robert SCOLLAY(Director, APEC Study Centre, and Associate Professor of Economics, The University of Auckland)
プレゼンテーション "An Analysis of the Restrictions on Foreign Direct Investment in Free Trade Agreements"
浦田秀次郎(RIETIファカルティフェロー/早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)
ディスカッサント:Myrna AUSTRIA(Full Professor, Department of Economics, De La Salle University)
セッション5:セーフガード
チェア:Robert SCOLLAY(Director, APEC Study Centre, and Associate Professor of Economics, The University of Auckland)
プレゼンテーション "On the Comparison of Safeguard Mechanisms of Free Trade Agreements"
小寺 彰(RIETIファカルティフェロー/東京大学大学院総合文化研究科教授)
1976年東京大学法学部卒業。東京都立大学法学部教授等を経て、1995年より現職。1996-1999年世界貿易機関(WTO)補助金相殺措置専門家部会委員、2001年よりRIETIファカルティフェローも務める。主な著作物: WTO体制の法構造』東大出版会,2000; 『転換期のWTO-非貿易的関心事項の分析』(共編著)東洋経済新報社,2003; 『パラダイム国際法』有斐閣, 2004
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ディスカッサント:小林献一(RIETIコンサルティングフェロー/経済産業省通商政策局通商機構部参事官補佐)
1995年早稲田大学法学部卒業、1998年早稲田大学法学研究科修了、2000年ジョージタウン大学国際経済法研究所フェロー、2001年ジョージタウン大学法学部LL.M.課程修了。1998年(財)松下政経塾入塾後、アレン・アンド・オーヴェリー国際法律事務所ブリュッセル支店、EU本部欧州委員会貿易総局多角的貿易政策及びWTO・OECD業務課(ベルギー、ブリュッセル)、国連貿易開発会議(UNCTAD)競争法と政策及び消費者保護課、世界貿易機関(WTO)知的所有権課にて研修。2001年(財)松下政経塾卒塾後、2002年4月~2005年8月(株)UFJ総合研究所新戦略部研究員を経て、2005年9月より現職。主な著作物: 『WTO入門』(共著), 日本評論社, 2004、「我が国植物検疫措置の課題と展望」(共著); 『貿易と関税』,日本関税協会, 2004; 「WTO農業交渉の2レベル・ゲーム分析」『貿易と関税』,日本関税協会, 2003
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Part II FTAの効果
セッション1:貿易への影響
チェア:Christopher FINDLAY(Head and Professor, School of Economics, The University of Adelaide)
プレゼンテーション "The Impacts of Free Trade Agreements on Trade Flows: An Application of the Gravity Model Approach"
浦田秀次郎(RIETIファカルティフェロー/早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)
ディスカッサント:Robert SCOLLAY(Director, APEC Study Centre, and Associate Professor of Economics, The University of Auckland)
セッション2:経済への影響
チェア:Christopher FINDLAY(Head and Professor, School of Economics, The University of Adelaide)
プレゼンテーション "Assessing the Economic Impacts of Free Trade Agreement: A Computable Equilibrium Model Approach"
阿部一知(東京電機大学工学部教授)
ディスカッサント:板倉 健(名古屋市立大学大学院経済学研究科講師)
セッション3:特恵措置の利用度
チェア:Inkyo CHEONG(Professor of Economics and Director for Center on FTA Studies, Inha University)
プレゼンテーション "Use of Preferential Treatment under FTAs"
高橋克秀(神戸大学大学院経済学研究科助教授)
ディスカッサント:岡山英弘(東京商工会議所国際部副部長)
セッション4:FTAの日本経済への影響
チェア:Inkyo CHEONG(Professor of Economics and Director for Center on FTA Studies, Inha University)
プレゼンテーション "Impact of Japanese FTAs/EPAs"
安藤光代(一橋大学大学院経済学研究科専任講師)
ディスカッサント:Jeffrey J. SCHOTT(Senior Fellow, Peter G. Peterson Institute for International Economics)
ワシントン大学(セントルイス)卒業後、ジョンズ・ホプキンス大学大学院(SAIS)にて修士号(国際関係学)を取得。米財務省では、国際貿易やエネルギー政策の分野で活躍(1974-1982) 。国際経済研究所に在職中、ジョージダウン大学助教授(1986-1988)、プリンストン大学客員教授(1994)など歴任。また、2003年1月より、米政府の貿易・環境政策に関する諮問委員会に属す。主な著作物: NAFTA Revisited: Achievements and Challenges(共著); Institute for InternationalEconomics, 2005; Free Trade Agreements: US Strategies and Priorities, Institute for International Economics, 2004
Part III 望ましいFTA政策の構築へ向けて:質的評価と量的効果分析の含意
パネルディスカッション
チェア:浦田秀次郎(RIETIファカルティフェロー/早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)
パネリスト(アルファベット及び五十音順)
Myrna AUSTRIA(Full Professor, Department of Economics, De La Salle University)
Inkyo CHEONG(Professor of Economics and Director for Center on FTA Studies, Inha University)
Antoni ESTEVADEORDAL(Principal Advisor, Integration and Regional Programs Department, Inter-American Development Bank)
Christopher FINDLAY(Head and Professor, School of Economics, The University of Adelaide)
Jeffrey J. SCHOTT(Senior Fellow, Peter G. Peterson Institute for International Economics)
Robert SCOLLAY(Director, APEC Study Centre, and Associate Professor of Economics, The University of Auckland)
中富道隆(経済産業省大臣官房審議官(通商政策局担当))
閉会挨拶
及川耕造(RIETI理事長)
東京大学経済学部経済学科卒業後、通商産業省入省。通商政策局経済協力部経済協力企画官、生活産業局紙業課長、外務省欧州共同体日本政府代表部参事官、中小企業庁小規模企業部小規模企業政策課長、防衛庁装備局管理課長、内閣官房内閣審議官(内閣内政審議室)、大臣官房総務審議官、防衛庁装備局長、特許庁長官等を歴任し、(財)機械産業記念事業財団参与(2002-2003年)、(株)野村総合研究所顧問(2002-2003年)、日本政策投資銀行理事(2003-2005年)を経て現職。
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