METI-RIETI-AIST-NEDO共催 特別講演会・シンポジウム

産学官連携による研究開発のイノベーション~米国ロスアラモス国立研究所の事例を中心に~

イベント概要

  • 日時:9月13日(水)10:00~12:30
  • 会場:東海大学校友会館 阿蘇の間 (千代田区霞が関3-2-5 霞ヶ関ビル33階)
  • 二階俊博 経済産業大臣 ご挨拶

    本日はご多用の中、私ども経済産業省が主催し呼びかけましたこの講演会に、多数の皆さんにご出席いただきましたことを心から御礼申し上げます。また、ロスアラモス国立研究所テリー・ウォーレス副所長には、我々のお願いを快くお引き受けいただきご講演いただけますことを、心から感謝申し上げる次第です。

    8月の中旬に私がアメリカへ出張した際、ニューメキシコ州のロスアラモス国立研究所へ日本の閣僚として初めてお伺いしました。その際、アナスタシオ所長やウォーレス副所長をはじめ多くの学者と今後の交流について話し合い、本日の講演のタイトルにもある「産学官連携による研究開発のイノベーション」という方向へ向けて、経済産業省とロスアラモス研究所が提携を図っていくことで意見の一致を見た次第です。その結果、本日こうしてご講演をいただくという運びとなりました。

    昨日のウォーレス副所長との2度目の会談で、燃料電池自動車の実用化に不可欠な水素貯蔵技術について、経済産業省の支援の下、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、産業技術総合研究所と共同で研究プロジェクトを立ち上げる提案をいたしました。ウォーレス副所長にもこれにご賛同いただき、早速、両国のそれぞれの研究責任者を指名することになりました。ロスアラモス研究所からは、水素燃料電池研究センターの所長で、大変著名な学者でもあるウィリアム・トーマス博士を責任者として指名するとのご提案がありました。我々に異論があるはずはありません。私どもは、産業技術総合研究所の秋葉主幹研究員を責任者とすると申し上げ、今後のお互いの研究の発展に取り組むように考えているところです。

    このプロジェクトを通じ、世界的に著名なロスアラモスの先端エネルギー分野での今日までの知見と、30年以上にわたる我が国の新エネルギー分野での知見の蓄積が相互に融合し、お互いの相乗効果により画期的な研究成果が生まれることを期待し、経済産業省としても、また日本政府を挙げてこれを支援する体制を築いていきたいと考えています。

    今日は、まずウォーレス博士に御講演いただき、その後、わが国の代表的な研究者である橋本東京大学先端技術研究センター所長、吉冨経済産業研究所長、横山産業技術総合研究所ナノテクノロジー研究部門長、そしてシャープの富田常務にパネリストとしてご参加いただき、今後の研究開発についての端緒を切り開いていきたいと思います。

    準備をする時間も十分とれない中で開催した本日の講演会ですが、こうして多くの会場の皆様にご参加をいただき、大変うれしく思います。これをきっかけに、日米間はもとより、わが国の技術開発、イノベーションを積極的に進めていくことによって、私どもがかねてより提唱しております新経済成長戦略に結んでいきたいと考えています。この決意を申し上げて、私のご挨拶といたします。