イベント概要
開会挨拶
岡松 壯三郎 (経済産業研究所理事長)
経済産業研究所の理事長をしております岡松です。
本日はお忙しい中、これだけ大勢の方々にお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。心より御礼申し上げます。
私どもが主催させていただきました、昨年9月の「動きはじめた支援図書館」シンポジウムはおかげさまで大きな反響を呼びました。それが、東京都足立区竹の塚図書館、大阪府立中之島図書館、また長崎県での活発な動きをはじめ、各地のさまざまな取り組みにつながっていることは大変嬉しいことです。そこで今回は第1回目をさらに発展させる形で第2回のシンポジウムを開催する運びとなりました。
折しも経済財政諮問会議が策定した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」(骨太2003)が6月27日に閣議決定されていますが、ここでは起業による就業機会の拡大を図るための方策の1つとして「ビジネス支援図書館の整備」が言及されており、ビジネス支援図書館が政府にとっても重要なテーマとして認識されているといえます。そうした意味からも、今回のシンポジウムは、大変に時宜を得たものだと思っています。
ところで、私共の経済産業研究所は、一昨年の4月にスタートしたいわゆる独立行政法人のいわば一期生です。
私たちのミッションは、経済産業分野の政策研究、政策提言をすることであり、研究者は個人の責任において自由に研究する仕組みを実現しています。
カバーする領域は広く、たとえば、マクロ経済からアジア経済の問題、あるいはIT関連といったものにも取り組んでおりますし、その研究成果を世に問う形の1つとして「政策シンポジウム」を開催しており、これまでに通信政策、大学評価、政策形成プロセスといったテーマでシンポジウムを開催いたしております。
本日のテーマである「ビジネス支援図書館」は、私ども経済産業研究所の菅谷研究員が長年取り組んでいるもので、昨年の政策シンポジウムで提言したものが、前述の通り、政府レベルの政策にも取り上げられたことは、私どもの研究活動の1つの成果であると考えています。
さて、本日のシンポジウムは、プログラムのご出演の方々を見ていただくとおわかりいただけますように、講師としてアメリカから3人の方をお招きしております。この方々は、直接ビジネス支援に携わっておられる方々で、多様な事例をご報告いただけるものと思います。
また、パネルディスカッションでは、米国の事例を踏まえつつ、日本のパネラーを交えて活発な議論が展開するものと思われます。コーディネータを本構想の推進者である、経済産業研究所の菅谷研究員が務めます。
パネルディスカッションの後半には、質疑応答の時間を設けております。せっかくの機会ですので、みなさまには是非とも、積極的にご参加いただければと思います。パネリストの方々もそれを期待しています。
本日の参加者リストを拝見しますと、図書館関係者の方、自治体関係者の方、あるいはシンクタンクの方、一般企業の方、大学、マスコミ関係者等々、大変広い分野からの皆様にお集まりいただいております。
いかにこのテーマが多くの関係者のご関心のもとであるかということを如実に示しているものと思う次第です。
シンポジウム開催のもう1つの大事な側面は、さまざまな分野の方々の出会いの場になることです。皆様方にはコーヒーブレイクや懇親会を、いわゆる「異業種間交流の場」としてご活用いただき、本日のテーマに即して積極的に意見交換をしていただければと存じます。
最後になりますが、こうした幅広い参加をいただいてシンポジウムが開催できるのも、私どもとビジネス支援図書館推進協議会との共催、また、文部科学省をはじめ、多くの機関のご後援をいただいていることによる次第です。ここに御礼申し上げます。
そして、このシンポジウムが、わが国にも起こりつつある新しいうねりを加速し、公共図書館の新しい道を拓くことになることを期待しております。簡単ではありますが、開会にあたりまして主催者の1人といたしまして、経済産業研究所からのご挨拶をさせていただきました。ありがとうございました。