開催案内
京都議定書の批准に向けた国内、国際的な枠組み作りが進んでいる現在、実証的で理論的な政策選択が強く求められています。特に、日本はCO2削減義務の確実な履行のために相当な努力と経済的負担を担うことは明らかであり、しっかりした基本哲学に裏打ちされた総合的な国内対策が必要になります。
本シンポジウムでは、内外の研究者、経済界代表をお招きし、京都議定書が地球規模での長期的なCO2削減の第一歩として機能するために何が必要かという視点に立ち、ディスカッションを行う予定です。
京都議定書が求めるものは?
- 国民は何を要求されるのか?
- 各国は議定書遵守のためにどんな国内対策をとるべきか?
- 地球環境対策として議定書を活かす道は?
世界最大のCO2排出国・米国はどのような道を進むのか?
- 経済と環境の両立をめざす経済合理的な政策選択とは?
先進国と途上国の環境対策における地球規模での役割分担は?
- 中国の環境対策の進展度と国際貢献としての日本の協力のあり方は?
排出権取引は経済合理的な制度として機能するのだろうか?
イベント概要
- 日時:2002年3月19日(火)10:00~18:00
- 主催:RIETI
※シンポジウム終了後、インターネットにて当日の模様の一部をビデオ映像でご紹介(動画配信)する予定です。また資料も後日、本サイトからダウンロードしていただけます。
マイケル・トーマン(リソース・フォー・ザ・フューチャー 主任研究員)
クリントン政権下では経済諮問会議のシニアエコノミストを務めるなど行政への関与も積極的に行ってきた。京都議定書の各国経済社会への影響、米国の政策選択の基本方向などを明らかにする。
ローレンス・グルダー(スタンフォード大学教授)
環境税など環境保護に関する具体的手法の経済への影響分析を基に経済合理性のある政策提言を行ってきており、ブッシュ政権の環境対策にも多大な影響を及ぼしている。CO2削減対策の影響が多消費産業に集中するという経済的、政治的な問題を克服し、いかに経済合理性のある政策選択が可能かを探る。
ピーター・ボーム(ストックホルム大学教授)
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書の著者を務めるなど、地球環境問題に深く関与してきた。更に、京都メカニズムに関する制度の比較分析など具体的政策の提言にも熱心に取り組んでいる。欧州における排出権取引の研究の進捗と方向を示す。
胡 鞍鋼(中国清華大学教授、国情研究所所長)
中国の経済・地域発展に関する多くの経済分析と政策提言を行ってきており、中国政府の経済政策に最も影響を与えている経済学者の一人。今後の中国の経済発展に不可欠な環境政策の基本的方向と日本との協力関係の構築について話す。
プログラム
総合司会:斎藤 浩 (RIETI客員研究員/経済産業研修所次長)
10:00~10:10 冒頭挨拶「合理的政策選択としての地球環境対策をめざして」
岡松 壯三郎 (RIETI理事長)
10:10~11:05 基調講演1:「地球環境問題への取り組みの方向と米国の進路」(仮題)
マイケル・トーマン (リソース・フォー・ザ・フューチャー・シニアフェロー)
11:05~12:00 基調講演2:「地球環境問題と合理的な政策選択」
ローレンス・グルダー (スタンフォード大学教授)
12:00~13:00 昼食休憩
13:00~14:30 パネルディスカッション:「中国環境対策とCDMの活用について」
講演:
胡 鞍鋼 (清華大学教授)
ディスカッサント:
岡松 壯三郎 (RIETI理事長)
桝本 晃章 (経団連地球環境部会長/東京電力(株)副社長)
小谷 勝彦 (日本鉄鋼連盟地球環境委員長/新日鉄(株)環境部長)
久留島 守弘 (NEDO主幹研究員)
14:30~15:00 休憩
15:00~17:00 ワークショップ1:「排出権取引と実験経済学」
チェア・パーソン:
西條 辰義 (RIETIファカルティフェロー/大阪大学教授)
報告:
草川 孝夫 (RIETIグラジュエートリサーチアソシエイト)
ディスカッサント:
マイケル・トーマン (リソース・フォー・ザ・フューチャー・シニアフェロー)
ローレンス・グルダー (スタンフォード大学教授)
ピーター・ボーム (ストックホルム大学教授)
桝本 晃章 (経団連地球環境部会長/東京電力(株)副社長)
久留島 守弘 (NEDO主幹研究員)
大河原 透 (電力中央研究所上席研究員)
安本 皓信 ((財)地球産業文化研究所 参与)
17:00~17:50 ワークショップ2:「地球環境問題への取り組み方向」
チェア・パーソン(同上):
ディスカッサント(同上):
*上記プログラムの講演内容及び講演者は状況により変更することがありますのでご了承下さい。