夏休み特別企画:フェローが薦めるこの1冊'03

"FIFA MUSEUM"/『ゴールの見えない物語』

"FIFA MUSEUM" edition q 1996.

FIFA MUSEUM表紙 「ディナモ・フットボール」を推薦しようとしたら昨年渋川君が既に触れたとのこと。流石と言えば流石!(まだの人は是非!)
渋川君にここで負けることはプロのメンツが許せない。 ということで2冊推薦(といっても量で勝負!ではありません)。

1冊目は「FIFA MUSEUM」という本。ネットで買えます。
国際サッカー連盟や他の博物館所蔵のサッカー関連の美術品や歴史的なもを編集した写真集です(とにかく綺麗です)。
冒頭が「日本の蹴鞠」(水彩と錦絵の2点)なのが泣かせます。
16世紀のイタリアの「カルチョ」の絵やドイツで豚の膀胱に空気を入れてボールを作っている絵なども中世の生活が伺えて興味深い。
1839年のパブリックスクールとフットボールの関係を伺わせる絵(P36)も必見。
(このころは1863年にラグビーとサッカーが分離する前の絵です)。
先日行われたラグビーの日本対イングランド戦で、この両競技が出自を同じくしていることが良く分かりました。
イングランドはまるでベッカムのようにキックでパス展開してましたね。

1917年にはもう女子チームがあったんだ、と発見するのも愉快(P144)。
対抗ページのポスター(1920年代)のオシャレな事!
1927年のサッカーの聖地「ウェンブリー」の上空をツェッペリン飛行船が非行している写真(P105)は何か不気味です。

アフリカやその他のポスターもご覧あれ(P212P213)。
マラドーナをモチーフにした絵(P211)にはひたすら感心?

絵や写真だけではありません。
昔のスパイクやボールも載っています。
また陶磁器のコレクションも見逃せませんね。

暑い夏、こんな本を眺めながら午睡に落ちるなどという贅沢な時を味わうのもオツですねえ。

『ゴールの見えない物語』サイモン・クーパー:編 森田浩之:訳 ザ・マサダ刊 (1997)

『ゴールの見えない物語』表紙 もう1冊は『ゴールの見えない物語』。
今のデフレ下の日本の話ではありません。
世界のサッカーコラムを厳選して集めたアンソロジーです。

登場人物は名古屋にいたリネカーやオランダのベルカンプなど。
(特に殿方には「空飛ぶデニス」はオススメ。ニヤリとしてもいいのですが、近くにご婦人がいないことを確認してください)。マラドーナに会いに2週間ブエノスアイレスに滞在したリネカーが結局彼に会わずに帰国する場面などは、何とも・・・。オススメです。