ジェームズ・マン著
共同通信社, 1999
ニクソン政権の米中和解を最近公開された秘密資料を基に歴史的に分析するとともに、1990年代のブッシュ政権からクリントン政権にいたる天安門事件以後のアメリカにおける対中政策決定のプロセスを分析する。米国の対中政策は常に人権重視と経済重視の間に揺れるが、新しい政権が登場すると、中国に対して人権重視などの強硬的政策を採り、政権の後半になると軟化し、経済重視の姿勢に変わるというパターンが繰り返されていると著者は主張する。2001年にブッシュ新政権が登場してから、軍用機の接触事件をはじめ、米中関係がギクシャクしていることも、とりあえず著者の仮説に沿った展開になっているが、さて、政権後半になると、米中関係の改善が本当に見られるようになるであろうか。