日本語タイトル:企業内貿易、投入産出関係と契約可能性:日系企業子会社データによる実証分析

Intra-firm Trade, Input-output Linkage, and Contractual Frictions: Evidence from Japanese Affiliate-level Data

執筆者 松浦 寿幸 (慶應義塾大学)/伊藤 萬里 (リサーチアソシエイト)/冨浦 英一 (ファカルティフェロー)
発行日/NO. 2020年3月  20-E-026
研究プロジェクト デジタル経済における企業のグローバル行動に関する実証分析
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概要

本稿は、日系多国籍企業の海外子会社レベルのデータを用いて、投入産出関係が企業内貿易に及ぼす影響を再検討するものである。従来の研究では多国籍企業の企業内貿易は親会社・子会社間の投入産出関係に依存しないとされてきた。しかし、産業特性として契約可能性の違いに注目すると、契約可能性の低い産業の場合、垂直的関係にある海外子会社とより活発に企業内貿易を行うことが確認された。この効果は、日本企業の主な投資先である東アジア地域に立地する子会社で顕著であった。この結果は、企業内貿易の決定要因として、契約可能性に劣る際にのみ、投入産出関係が重要な役割を果たすことを示唆するものである。また、企業内貿易は極めて限られた企業に集中していることも併せて確認した。

概要(英語)

This paper examines the impact of input-output linkages on intra-firm trade based on affiliate-level data of Japanese multinationals (MNEs). We find that MNE parents tend to trade relatively more with their affiliates in vertically linked sectors if they trade goods with low contractibility, especially with affiliates located in East Asia, which is the major developing-country destination for Japanese MNEs. This result indicates that input-output linkage is a significant determinant of intra-firm trade when the trade is affected by contractual frictions. We also confirm that intra-firm trade is observed only in a limited fraction of affiliates.