日本語タイトル:グローバル・サプライチェーンを通じた災害ショックの伝播

Propagation of Shocks by Natural Disasters through Global Supply Chains

執筆者 柏木 柚香 (早稲田大学)/戸堂 康之 (ファカルティフェロー)/Petr MATOUS (シドニー大学)
発行日/NO. 2018年6月  18-E-041
研究プロジェクト グローバルな企業間ネットワークと関連政策に関する研究
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概要

本稿は、災害がグローバル・サプライチェーンを通じ国内外にどのような間接的影響を与えるのかについて、2012年に米国を襲ったハリケーンを外生ショックとして用いた実証分析を行った。分析手法としては、ハリケーンによりダメージを受けた企業の国内外のサプライヤーや顧客企業の売上成長率がどのように変化したのかを、グローバル・サプライチェーンに関する情報を含む企業レベルデータを用いて検証した。その結果、ハリケーンで被災した企業のサプライヤーや顧客企業の売上高への影響は、米国内では負で有意であったが、米国外の企業に対しては有意ではなかった。追加的にさまざまな推計を行うことにより、負のショックが国外に伝播しないのは、国外の取引先は被災した米国企業を代替できる能力があるためであることが示唆された。

概要(英語)

This study investigates the indirect effects of shocks by Hurricane Sandy that hit the United States in 2012. Using firm-level data on global supply chains, we examine how sales growth of firms inside and outside the United States changed when their suppliers or clients were damaged by the hurricane. Our results show that the effect of damaged firms on their transaction partners in the United States is negative and statistically significant, while the effect on their partners outside the United States is insignificant. Alternative specifications suggest that internationalized firms' ability to substitute for damaged partners most likely explains the absence of international propagation.