中国の持続可能な経済発展に向けて
新たな「経済行政地区」という概念提示による実証的分析

執筆者 孟健軍  (ファカルティフェロー)
発行日/NO. 2004年5月  vol.4

概要

中国の近代化は、市場経済メカニズムのもとで新たな経済資源配置を行う過程であり、それは経済資源の分散的農村型配置から集中的都市型配置への移行を意味する。このような中国の近代化への転換過程において、持続可能な経済発展を目指すには、社会資源をどのように再配置するのが望ましいのだろうか。

筆者は中国が近代化を実現するには、国家の行政能力がカバーする範囲とその主要機能を抜本的に改革する必要があると考えている。そこで、本調査レポートにおいて、「経済行政地区」という新たな概念を提示し、それを実現させる合理性について実証分析を行った。

その分析結果により、中国の経済発展の過程に存在する多くの潜在的問題が指摘され、またその問題解決へ向けた道筋も提案されている。

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I.報告編:問題提起と分析結果の考察[PDF:416KB]

  1. 問題提起
    • 1-1. 非均衡型発展を遂げる中国地域経済
    • 1-2. 経済資源の合理的な配置
  2. 地域の経済発展と「経済行政地区」
    • 2-1. 研究の背景
    • 2-2. 概念説明及び指標の選択・比較
    • 2-3. 経済行政地区の実証分析と考察
    • 2-4. "虚省撤県実地区"――中国改革の新しいメカニズム
    • 2-5. まとめ
  3. 行政区画の変遷と「経済行政地区」
    • 3-1. 歴史と沿革
    • 3-2. 近代行政区の設置
    • 3-3. 1949年以降における省レベルの行政区画
    • 3-4. "地区、県、郷"級の区分と地区レベル市の発展
    • 3-5. まとめ
  4. 今後の展望と課題

II.データ・資料編[PDF:1.8MB]

  1. データについての解説
    • 1-1. データの収集
    • 1-2. 指標の選択
    • 1-3. データの処理方法
  2. 統計データ
    • 2-1. 2001年の統計
    • 2-2. 1998年の統計
    • 2-3. 1995年の統計
    • 2-4. 統計数値に関する注釈
  3. 参考文献・統計資料