2008-1-4-03

平成20年度「派遣労働者の生活と求職行動に関するアンケート調査(第3回)」

結果概要

2009年1月末に独立行政法人経済産業研究所は非正規労働者(派遣労働者、パート・アルバイト、契約社員等)を対象として実施した「派遣労働者の生活と求職行動に関するアンケート調査」を行ったが、その後の日雇い派遣労働者をはじめとする非正規雇用の労働者の就業行動の変化を把握するために、2010年1月末に2回目の継続調査(1回目は2009年7月末実施)を行った。以下はその調査結果の概要である。

(1) 過去2回の調査(2008.12、2009.6) 及び今回調査(2009.12)を比較すると、前々回、前回の調査時点に挟まれた2009年前半は雇用情勢が急速に悪化を続けたため、調査対象となる非正規雇用労働者の雇用環境や生活状況も大きく悪化した。一方、前回調査と今回調査に挟まれた2009年後半は景気回復が明確になる中で雇用情勢の悪化にも歯止めがかかってきた時期に当たり、今回調査では多くの調査項目で最悪期を脱する動きがみられた。しかしながら、非正規雇用者を取り巻く環境が着実に改善しているわけではなく、依然として厳しいことには変わりない。

(2) 非正規雇用労働者の雇用安定を図る上で、有期雇用の扱いは今後の政策課題として最も重要なものの一つである。特に、有期雇用の雇い止めにおいては、契約更新の可能性について労使間のギャップが問題になる場合が多い。労働者の主観的な契約更新の予測可能性については、派遣労働者は自分自身が雇用継続の要件を満たしていると思っている場合でも、雇用が継続されるか不安に思っている層の割合が直接雇用のパート・アルバイトより高くなっていることが今回調査で明らかになった。

(3) 今回の調査では、派遣労働者の雇用安定を狙いとする労働者派遣法改正に関する質問をその対象者である登録型派遣労働者に対して行ったが、登録型派遣の原則禁止について反対する人、登録型派遣を継続したい人、政策転換による失業不安のある人の割合が、そうでない人の割合を大きく上回った(下図参照)。したがって、派遣労働者一人一人の多様な希望に十分配慮することを基本としつつ、それぞれが希望する働き方ができるだけ実現されるための環境整備のあり方や、政策転換によって懸念される雇用不安を軽減するための政策対応を十分考える必要がある。

登録型派遣の原則禁止には賛成である

登録型派遣の原則禁止には反対である

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