調査:No.H20-1-4-02

平成20年度「派遣労働者の生活と求職行動に関するアンケート調査(第2回)」

結果概要

2009年1月末に独立行政法人経済産業研究所は非正規労働者(派遣労働者、パート・アルバイト、契約社員等)を対象として実施した「派遣労働者の生活と求職行動に関するアンケート調査」を行ったが、その後の日雇い派遣労働者をはじめとする非正規雇用の労働者の就業行動の変化を把握するために、2009年7月末に継続調査を行った。以下はその調査結果の概要である。

(1) 雇用形態の変化(2009年1月調査→7月調査)

  • 1か月未満のパート・アルバイト、日雇い派遣、製造業派遣で定着率(同じ雇用カテゴリーに止まる割合)が低く、失業化する割合も、製造業派遣、日雇い派遣、1ヶ月未満のアルバイト・パートの順で高くなっており、かなり労働移動の出入りの大きい雇用形態である。
  • 正社員化率は、1ヶ月未満のアルバイト・パートではゼロ、日雇い派遣は2%程度とごくわずかであり、これらの雇用カテゴリーでは正社員への道はほぼ閉ざされている。
  • 製造業派遣の正社員化率は2割近くあり、すべてのカテゴリーで最も高くなっているが、上記のように失業する可能性も高く、非常に不安定な雇用形態となっている。
  • 契約社員は定着率が高く、失業化率が低い中で、正社員化率が比較的高く(11%)、比較的安定した正社員化への「踏み石」としての役割を果たしている。

(2) 景気悪化の影響(2009年1月調査→7月調査)

  • 支出減、労働時間減、月収減の人の割合は、日雇い派遣労働や製造業派遣において、他の派遣労働やアルバイト・パートより相当高くなっている。つまり、日雇い派遣や製造業派遣の方が雇用調整コストの低さを背景に景気悪化の影響をより強く受けている。
  • 日雇い派遣は他の雇用カテゴリーを比べて仕事を見つけにくくなったと考える人がかなり高くなっており(7割近く)、その水準は失業者に匹敵している。さらに、仕事に対するやる気がなくなった者の割合は製造業派遣で最も高くなっている(3割近くと失業者を更に上回っている)。
  • ほとんどの雇用カテゴリーでストレスや失業不安が高まり、主観的幸福度や主観的生活水準に低下がみられ、正社員への希望割合が相当高まっている。
  • 特に、同じ雇用形態に止まっていた人よりも、新たにそのカテゴリーに入ってきた人の方がより厳しい現状認識をしており、この同一雇用カテゴリー内における既存者と新規参入者との間のギャップは、特に、日雇い派遣で顕著にみられる。つまり、今回新たには日雇い派遣になった者は以前の日雇い派遣よりもより厳しい状況に置かれている。

(3) 市場経済や政府の役割に対する考え方

  • 非正規労働者の多くは、貧困の解消における国の役割に期待する一方で、格差を容認する市場経済にはやや反対している。
  • 年金の不正受給や投票行動に関しては、モラルハザードやフリー・ライダー的な考え方は雇用がより不安定な1か月未満のアルバイト・パート、日雇い派遣、製造業派遣でより顕著にみられる。
  • こうした雇用形態の労働者に対しては、セイフティ・ネット整備や雇用安定とともに、公共心、社会への参加意識を考慮した取り組みが重要である。

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