2013-1-02

平成25年度「日本企業の貿易建値通貨の選択に関するアンケート調査」
Questionnaire Survey on the Choice of Invoice Currency by Japanese Firms

プロジェクト

為替レートのパススルーに関する研究

プロジェクトリーダー

伊藤 隆敏 (プログラムディレクター・ファカルティフェロー/東京大学大学院経済学研究科(兼)東京大学公共政策大学院教授)

調査の目的と背景

昨今のグローバルな金融危機の影響から、先進国通貨だけでなく、東アジアなどの新興国通貨の為替レートも大きく変動しました。特に円高の進行は著しく、2011年から2012年にかけて日本は歴史的な円高水準を経験しました。こうした為替レートの変動は、短期的に日本企業の業績に大きな影響を与えるばかりでなく、中長期的には企業のグローバルな生産・販売構造と為替戦略に影響を及ぼしていると思われます。とりわけ東アジア域内で生産ネットワークを構築している日本企業の為替リスク管理と貿易における価格設定行動、そして貿易建値通貨(インボイス通貨)の選択がどのような影響を受けているかを実態調査することが、本アンケート調査の目的です。

当アンケートは、日本の輸出企業を対象として2009年に実施した「日本企業の貿易建値通貨の選択に関するアンケート調査」の第二弾です。過去4年間に、日本は大幅な円高の進行だけでなく、2012年末頃からの急激な円安への転換も経験しました。東アジアなど世界各地に生産拠点や販売網を持つ日本企業がこの劇的な為替変動にどう対処してきたかを調査することを通じて、為替変動が日本経済に及ぼす影響を分析するだけでなく、日本企業の視座に立った域内諸国間の為替協調のあり方や新しい域内為替レート制度の構築というマクロ的な課題への政策提言を行うことを目的とする。

調査概要

     
調査対象・対象者数

2013年3月期の有価証券報告書に「海外売上高」もしくは「所在地セグメント情報(あるいは顧客別セグメント情報)が計上・報告されている上場企業のうちの製造業者962社

調査手法

郵送調査

調査時期

平成25年(2013年)9月~10月

有効回答数

187社

回答率

19.4%

主な調査項目
  1. 為替リスク管理手法・体制
  2. 為替変動に対する価格設定
  3. インボイス通貨別のシェアと通貨選択における基本方針
  4. 本社(日本)から各国(地域)に向けた輸出におけるインボイス通貨

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