プログラム:産業・企業生産性向上

生産性格差と国際競争力評価

プロジェクトリーダー/サブリーダー

野村 浩二 (ファカルティフェロー)

リーダー

プロジェクト概要

成長戦略やエネルギー・環境政策の策定においては価格競争力評価が不可欠であり、産業の相互依存性とグローバル化の深化のもと、投入要素価格や全要素生産性格差、あるいは為替レートの水準など、価格競争力の決定要因に関する体系的な把握が求められる。2013-14年度プロジェクト(日米相対比価体系と国際競争力評価)では、2005年日米国際産業連関表の拡張とともに、産出価格差や生産過程において投入される原材料・素材、部品、エネルギーなどの投入価格差を体系的な測定を行い、日米相対比価体系を構築した(Nomura and Miyagawa,2015)。Jorgenson, Nomura and Samuels(2015)では、別途構築している長期の日米産業別KLEMSデータ(1955-2012年)に基づき、属性別労働・資本サービスの価格差および全要素生産性格差(TFPギャップ)の測定による国際競争力評価を行っている。

一国経済における測定がより具体的な政策評価へと結びつくためには、さらなる細分化と精度向上とが求められる。2015-16年度プロジェクトでは、前プロジェクトでの測定値を基盤としながらも、その詳細、とくに2次エネルギー(消費原単位と関連諸税、CO₂排出)、商業(マージン率と品質評価)、労働(高齢化と女性労働)、そして資本(収益率とR&D)など、日本の経済成長および国際競争力において問題となる投入要素の測定における精緻化と、それぞれの細部としての構造の描写による多層単要素生産性の測定と評価を行う。エネルギー生産性格差の体系的な測定によっては、これまで物量的に接近が可能な粗鋼やセメントなどのみではなく、一国経済を包括した産業構造要因やエネルギー効率要因などへの分解によって、さらなる省エネは可能であるかなどエネルギー政策を策定する上での重要な観察基盤を与えることが期待される。

また分析においては、ミクロとマクロをつなぐフレームワークとしての国際産業連関表の精緻化が必要であり、米国SUT表との整合性を高めた形での新しい日米表の作表を検討していく。それは将来における日本のベンチマークSUT表作表における基盤を与え、国民経済計算(JSNA)のシームレスな構築を可能にすることが期待される。

活動期間: 2015年6月 1日 〜 2017年3月31日

主要成果物

2016年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー