RIETI EBPM実務者ネットワークシンポジウム

英米のEBPMの動向と国内における官民協働事例(議事概要)

イベント概要

  • 日時:2024年7月18日(木)10:00-13:00(JST)
  • 主催:独立行政法人経済産業研究所(RIETI)

議事概要

RIETI EBPMセンターは、2023年度、「EBPM推進のための検討会」を立ち上げ、行政におけるEBPMの取り組みを支える民間シンクタンク・コンサルティング企業のメンバーを招いて、海外動向も踏まえた日本のEBPM実務における課題や取り組み、そして今後の在るべき方向性について議論してきた。今回のEBPM実務者ネットワークシンポジウムでは、検討会の議論を踏まえつつ、英米で実施されている多角的なEBPMの取り組みの紹介に加えて、民間シンクタンク・コンサルティング企業のEBPM担当者から見た行政における取り組みの成果や課題、日本のEBPMの在るべき姿について、より実務に即した観点からディスカッションを行った。

開会挨拶:

冨浦 英一(RIETI所長・CRO・EBPMセンター長)

RIETIでは、エビデンスに基づく政策形成に関する研究を進めてまいりましたが、2022年4月にEBPMセンターを創設しました。同センターは、2023年度、「EBPM推進のための検討会」を立ち上げ、海外の動向も踏まえた日本のEBPMの実務における課題や取り組みなどについて議論を行ってまいりました。本シンポジウムでは、これまで官庁や自治体と協働でEBPM実務を推進してこられた民間企業の方々より、実務に即した観点でプレゼンテーションとパネルディスカッションを行っていただきます。本日のシンポジウムが政策現場におけるEBPM推進の一助となれば幸いです。

基調講演「英米の取り組み紹介と日本への示唆」

小林 庸平(RIETI コンサルティングフェロー / 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 経済財政政策部 主任研究員 / 米国・戦略国際問題研究所 客員研究員)

英国のEBPMの取り組み

英米ではEBPMの取り組みが多角的に進展しています。英国では、ブレア政権時に費用便益分析や業績マネジメントが先行しました。英国の重要な取り組みの1つが、Green Bookと呼ばれる事前評価・事後評価のガイダンスになります。政策を回していくときのサイクルにおいて、Green BookはAppraisal(事前評価)と、Evaluation(事後評価)に対して、どのように行うべきか国として定めているガイダンスです。要は、支出、規制を行うときに、それぞれの支出もしくは規制がもたらす費用便益を計算して、その費用便益に基づいて政策の可否を判断するためのガイドブックという位置付けです。

2010年以降は、EBPMが政策立案の中心に位置付けられてきました。まずは、エビデンスの収集・提供を行うWhat Works Centreと呼ばれる官民協働機関が創設されました。さらに2021年にはEvaluation Task Forceが設置されました。内閣府と財務省が共同で管理する組織であり、各省から上がってくる予算、政策に対して、EBPMの見地からチェックし、必要によっては評価計画を立てるように促すことで、エビデンスの需要強化の機能を担っています。英国政府には分析ファンクションと呼ばれる分析専門職が各省にいますが、こうした専門職のネットワーク化も、エビデンスの供給強化に寄与しています。こうした取り組みが相まって、政策立案の中心にEBPM的要素が組み込まれてきています。

米国のEBPMの取り組み

米国においては、1993年にGovernment Performance and Results Act(GPRA)と呼ばれる法律が制定され、政府の中で目標を設定し、測定し、業績を管理する枠組みが導入されました。2013年にはGPRAがGPRA Modernization Act(GPRAMA)に改正されました。2016年にEvidence-Based Policymaking Commission Act of 2016(EBPM諮問委員会法)が成立しCommission on Evidence-Based PolicymakingというEBPMの青写真を描く会議体が設立されました。このCommission on Evidence-Based Policymakingが報告書をまとめ、データのプライバシーを確保しながらデータの利用可能性を確保することと、EBPMキャパシティ強化のための仕組みを提言しています。

この報告書を受けて2019年にはThe Foundation for EBPM Act of 2018(通称: Evidence Act)が成立し、各省庁へのEvaluation Officer(評価担当官)の設置、Learning AgendaやAnnual Evaluation Plan(年次評価計画)といったエビデンス構築計画の作成・提出などが規定されています。エビデンス構築計画の作成・実施は、GPRAMAに基づく業績マネジメントと有機的に連動しながら進められています。

日本の課題

日本の課題は、エビデンスに対する需要の喚起不足と需給調整メカニズムの欠如であると感じています。また、政策評価や行政事業レビューといった、政策を合理化させるための他の仕組みと重複があります。こうした点から、メリットが感じられない、負担が大きい、ロジックモデルが単なる作業化してしまっているといった、政策現場におけるEBPMへの負の評価が大きくなってしまうのではないかと思います。

今後の方向性としては、予算編成プロセスや法律においてもEBPMを求めていくとともに、業績マネジメントの導入、エビデンスに対する需給調整メカニズムを構築することによって、EBPMを政策立案に資するものに転換していく必要があります。そのためには政策立案者のニーズに寄り添い、日本の行政や各省の事情に合わせながら政府内に専門家を配置していくことが不可欠だと考えています。

基調講演Q&A

Q:
英米では因果推論がなじみづらい分野でもEBPMを行っていますか。また、事前評価は重視されていますか。

小林:
英米共にどの分野でも政策立案の改善につなげています。因果推論がなじまない分野、例えば、エネルギーとか国防などでもエビデンスもしくはEBPMの枠組みを用いて行っていますが、必ずしも因果推論というわけではなく、データ分析やインタビュー等で政策立案の改善につなげています。また事前評価については、英国のGreen Bookの力点はまさに事前評価にあります。

Q:
EBPMと政治の関係をどうご覧になっていますか。

小林:
政権交代はエビデンスの構築プランに影響しますが、各省の重要課題は変わらないことも多くあるようです。

Q:
政府内部の分析専門職の登用における課題は何ですか。

小林:
分析の専門家というのはジョブ型の職員となるわけですが、ジョブ型の職員をメンバーシップ型(公務員)の組織に入れていく難しさがあります。そもそも両者が政府部内で両立可能なのか、公務員制度の骨格を変えないといけないのか、骨格を変えずにジョブ型の職員を外付けハードディスクのような形で組み込むことができるのか、こういったことが課題になると思います。

Q:
英米ではどの程度の粒度で評価を行っていますか。

小林:
米国のエビデンス構築計画を見ている限りでは、問いの単位で分析テーマが決まっています。英国については、日本における事業や施策の単位でビジネスケースが作られています。

Q:
EBPMの需給調整メカニズムとは、医療分野の臨床疑問を研究疑問に反映させるイメージでしょうか。

小林:
政策担当者が持つ疑問を研究として答えられる形の疑問に作り替えるということです。

セッション1「EBPMの実施において行政官と実務者が期待される役割について」

プレゼンテーション

森安 亮介(みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社 社会政策コンサルティング部 上席主任コンサルタント/ 慶應義塾大学経済研究所 パネルデータ設計・解析センター 共同研究員)

EBPMの推進に向けた大きな課題として、①行政への組み込み、②EBPMの実践に必要なデータの整備、③行政と外部機関の協業があると私は認識しています。

では、具体的に行政官が担う役割は何なのでしょうか。私は、それは組織内のEBPM浸透におけるゴール設定と戦略策定に尽きると思っています。ゴール設定については、EBPMをどの水準まで・何を対象に・誰が行うのかを明確にすることが重要です。また、原局・原課においては、政策検討時にエビデンスに基づいた検討を行うことはもちろん、実施後の効果検証を見据えた工夫や実行が求められます。

効果検証の際には、検証のための実証フィールド作りを事業・施策の実施前に行っておくことで、事後評価の質が向上します。加えて、良質なフィールドになれば外部研究機関との協業も取り付けやすくなります。施策の対象層と非対象層を比較することがポイントなので、2つの層をセットで情報取得できるような設計を「施策の実施前」にご検討いただければと思います。

パネルディスカッション

パネリスト: 田原 英典(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 地域政策部 副主任研究員)

森安 亮介(みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社 社会政策コンサルティング部 上席主任コンサルタント/ 慶應義塾大学経済研究所 パネルデータ設計・解析センター 共同研究員)

渡邊 新太郎(PwCコンサルティング合同会社 公共事業部 マネージャー)

モデレータ: 杉浦 好之(RIETI EBPMシニアコーディネーター)

田原:
行政は人事異動が多い組織なので、組織の中でEBPMについてどのようなゴール設定、戦略策定、ビジョンを掲げるのかを整理し、原課・原局において政策の効果検証を実施する際に、委託先に向けてどのような検証の仕様を指示すべきかを事前に整理することが非常に重要であると感じています。

渡邊:
EBPMによって政策効果の向上が期待できることに納得はしているものの、それが日本全体にコンセンサスとして落ち切れていないのが問題で、そのギャップの解消が課題だと思います。その上で、アカデミアの方々にもEBPMの効果分析に取り組んでいただくとともに、皆さんご自身の業務の中にEBPMのプロセスを取り込んでいただき、スモールサクセスを実感していただけるよう、支援者の立場としても取り組みを進めていくことが重要だと考えています。

モデレータ:
自治体との取り組みにおける成功事例をご紹介いただけますか。

森安:
エビデンスや研究先行事例を代理的に調べ、事業実施前の分析に向けた分析設計支援を行うことで、政策の効果検証が行えた実例があります。外部研究者と連携する際のポイントは研究者と行政官が重視する点が異なることにあります。研究者がどんなに良い研究をしたとしても、行政官は研究成果を1枚のポンチ絵に翻訳する方が大事だったりする。両者の文脈の違いに留意する必要があります。

田原:
考えるべきことの整理から始めて、分析をする中でどこがボトルネックになって効果が出ないのか、本当に意味がない取り組みなのか、そしてその結果を次にどう使っていくのかも併せて提案しています。

モデレータ:
日本においては「EBPM=因果推論」と認識されますが、事前評価において実務者に期待される役割は何でしょうか。

渡邊:
将来必要になるデータを見据えて先回りして作っておくという考え方が重要で、基盤になるデータ作りに実務者としてコントリビュートできるのは非常にありがたいことだと思っています。

モデレータ:
行政と研究者がWin-Winな関係を築いていくには、分析結果の公表は避けられないのでしょうか。また、行政の現場で研究者の方々に相談したい場合はどのようすればよいでしょうか。

森安:
民間企業であれば、公表なく分析のお手伝いをすることはできると思います。分析結果の公表については、行政が税金でやる以上は、資料公開請求や情報公開といった仕組みがありますので公表は避けられないのではないのでしょうか。また、研究者と組む場合には少なくとも論文化は必須の条件になるかと思います。公表に対して制約があれば、研究者と議論して取り決めを結ぶことは十分にできます。相談に関しては、一般的には研究者も連絡先を公表していますので問合せてみてはいかがでしょうか。ただ、問い合わせる際にも、「研究者にとって魅力的か」という観点で相談事項を持っていくことがポイントだと思います。

モデレータ:
EBPMの行政のフローに取り入れた成功事例や親和性の高い業務について教えてください。

田原:
EBPMの考え方を取り入れた成功事例としては、法務省の案件で取組に効果がみられなかった分析結果があり、データと現場を往復してプログラムを改善していく方向に向かったケースがあります。親和性の高い業務・分野については、海外の事例で取り上げられた分野と変わりませんが、行政の行う広報活動などはEBPMの示唆を取り入れることで、ヒントを得られるようなケースや事例が出てくるのではないかと考えています。

モデレータ:
最後にコメントをお願いします。

森安:
日本の学術界でも政策的に重要な研究は行われています。しかし、それが行政の政策立案現場に届いていないのが現実です。この溝を埋めていく1つが民間のシンクタンクやコンサルティング会社だと思うので、「研究商社」としてその取り組みを進めていきたいと思っています。

田原:
私は昨年(2023年)より法務省内部でアドバイザーとして勤務していますが、外の人間に対してご依頼いただくことはまだハードルが高く、遠い世界であると思っています。ですので、事例を積み上げていくことでより活用していただけるようになるといいと考えています。

渡邊:
N数の少ない中での因果推論は難しいと思いますが、NGを拾うと再現性が高く検証できたりもします。クイックに成果が見えやすいところをEBPMの文脈の中で見つけ出していき、それを皆さんのご活躍されている領域の中で活用いただくことが重要だと考えています。

セッション2「EBPMにおけるデータ利活用について」

パネリスト: 田中 麻衣(株式会社NTTデータ経営研究所 社会・環境システム戦略コンサルティングユニット マネージャー)

永元 隆雄(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 パブリックセクターシニアマネージャー)

森安 亮介(みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社 社会政策コンサルティング部 上席主任コンサルタント/ 慶應義塾大学経済研究所 パネルデータ設計・解析センター 共同研究員)

モデレータ: 八木 春香(RIETI研究調整副ディレクター(EBPM担当))

プレゼンテーション

永元 隆雄(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 パブリックセクターシニアマネージャー)

近年、技術進展とデータ利活用の広がりによって多様なビジネス展開が当たり前になりつつある一方で、EBPMの推進は十分に定着しているとは言えない状況です。その要因としてデータ不足が指摘されています。

データを利活用しやすくするためにできることの1つが、リサーチデザインの前倒しです。分析に必要なデータを実務者と政策担当者で事前に検討し、しっかり腹落ちした上で事業を進めていくことがポイントです。

もう1つが、公的統計と行政記録情報の活用です。現在は、公的統計データの取得手続きの煩雑さや、利用目的が合致していないために活用できない行政記録情報が存在します。中小企業庁のデータ利活用ポリシーのように、EBPMでデータを活用するための工夫を推し進めていくことが重要です。

政策担当部局が主導する形でEBPMでのデータ利活用を試みていただけるよう、われわれ実務者もEBPMの推進に貢献したいと考えています。

パネルディスカッション

田中:
EBPMを実施すること自体が目的となってしまい、何のためにEBPMを実施するのかが政策現場で腹落ちできていないところに1つ課題があると感じています。何を解決するためにデータを活用したいのかを明確にし、事前準備を行うことが重要です。事業が走り始める前に、われわれ民間コンサルティング会社がデザインを支援させていただくことに加え、必要に応じて学識経験者や法律家の方々との橋渡しをすることが、われわれに求められる仕事だと感じています。

森安:
リサーチデザインの前倒しができていない背景には、分析手法の知識不足のほか、データが蓄積される時間軸と政策策定の時期がうまくかみ合っていないことがネックだと思っています。政策によって何を変えたいのかをまず整理して、その上で取得可能なデータの中からまずはデータを取っていくような工夫が必要となります。

モデレータ:
公的統計の利用における障壁、あるいは有効な活用事例を教えてください。

田中:
公的統計ミクロデータの二次利用は施策の効果把握に有効ですが、パネル化やデータクレンジングに時間がかかることがあります。例えば、ドイツでは公的統計のメタデータが整備され、ミクロデータのパネル化のプログラムがデータ利用者側にも提供されています。ミクロデータは申請した目的内で利用することとなっていますので、パネル化したデータそのものを残せなくても、パネル化等に関する研究者の知見を残して蓄積できるようになってくると、ミクロデータの利活用も進んでいくのではないかと思います。

森安:
異分野のデータ連結や追跡的なデータ(パネルデータ)の構築に加えて、持続的にデータが構築され続けるための仕組みやインセンティブもセットで設計することが重要です。この辺りは2021年度の総務省「公的統計の国際比較可能性に関する調査研究」でも調査し報告書として公開していますのでご関心があれば参照頂ければ幸いです。

モデレータ:
データ活用を推進するための環境構築として、成功事例があれば教えてください。

永元:
データ基盤の構築やBIツールの活用は政策を評価する上で有用ですし、簡単に始めやすく、自治体で複数の事例が存在する認識です。一方で、因果推論までカバーすることは困難なので、そこは別途の検討が必要と考えます。

森安:
既にあるデータの例では、埼玉県の学力調査や大阪府箕面市の子どもの成長見守りシステムがよく知られているかと思います。また、エビデンスポータルについてもRIETIさんで準備が進められているほか、サイバーエージェントさんなど民間でも整備が進んでいる状況です。

田中:
兵庫県姫路市では、住民情報を主としたデータを抽象化し分析できるようにすることで、データを根拠とした政策立案や業務改革を支援する仕組みとして、行政情報分析基盤を構築されています。

モデレータ:
EBPMとオルタナティブデータとの親和性はいかがでしょうか。

田中:
オルタナティブデータは、その精度や偏り等の確認は必要なものの、速報性やデータ量に優れており、いちはやく動向を把握する、予測するといったことに向くと考えられます。一方で、必ずしも個人や企業の紐づけができないため、因果関係の検証には活用できないことがあります。ビッグデータ・オルタナティブデータと呼ばれるデータにも、基地局情報、POSデータなどいろいろあります。それぞれのデータの向き不向きを理解したうえでデータの特徴に合わせて使っていけばEBPMとの親和性はあると思います。

森安:
オルタナティブデータの即時性は非常に魅力的です。その活用は有力な手ですし、親和性もあると思います。とりわけ観光・小売・都市開発などの政策分野については活用も進んでいるものと認識です。

永元:
オルタナティブデータは速報性に優れているので、EBPMへの応用の可能性が高まっていると感じています。例えば、中小企業支援政策に活用するために、クレジットカードデータを使って中小企業の売上動向を優れた速報性で把握する試みもあります。

モデレータ:
立案時に決めたデータデザインは他の政策の効果検証には使えないのでしょうか。また、リサーチデザインの型のようなものは作れますか。

森安:
条件さえ合えば他の政策にも使えるかと思います。それ以上に重要なのは、データ基盤を作ることかと思います。特に地方自治体において、追跡可能なデータや異分野にもまたがるようなデータ基盤を構築しておくことが求められます。データさえあれば、毎回ゼロからリサーチデザインをする必要がなくなり、政策分析も容易になります。なお、リサーチデザインの型については、私が政府や自治体向けのEBPM研修で使用しているフォーマットがあるので、ご興味があればご連絡ください(笑)。

モデレータ:
実務家として取り組みたい課題はございますか。

田中:
現状では取得できていないデータやエビデンスをどのように負荷を抑えて取得していくかについての環境整備にも入っていく必要があると思っています。例えば、補助金を実施するときに、補助金を受けられなかった方々のデータも収集するためのインセンティブ設計やデジタル化、EBPMを成功させるための指標整理などで支援をさせていただけるのではないかと思います。

森安:
私が「研究商社」と名付けて取り組んでいるものですが、EBPM実装のためには、研究コーディネート機能、研究レビュー・政策支援機能、科学コミュニケーション機能の3つが必要だと考えています。われわれシンクタンク・コンサルもこうしたことを一層やっていくべきだと感じています。

永元:
行政と実務者が一体となって政府全体におけるEBPMを定着させられるよう、貢献していきたいと思います。モチベーションと技術の両面において、一緒に議論しながら進めていきたいと考えています。

開会挨拶

杉浦 好之(RIETI EBPMシニアコーディネーター)

皆様、大変示唆に富むプレゼンテーション、そして後半2つのパネルディスカッションでは具体的にお話しいただき、ありがとうございました。RIETIでは、アカデミアを中心とするEBPMに関するシンポジウムを例年開いておりまして、本年も年末をめどに開催する予定です。EBPM実務者としては行政官もおりますので、皆さまからのご要望がありましたら、行政官の方々へもお声掛けをさせていただき、そちらも企画してまいりたいと思います。それでは、皆様、本日はありがとうございました。