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IMF世界・アジア太平洋地域経済見通し:不安定な回復

開催案内

金融セクターの混乱等により、世界経済の見通しは不透明さを増している。国際通貨基金(IMF)の「世界経済見通し(WEO)」では、2023年の成長率見通しを引き下げるとともに、更なる下方リスクとして、引き続き基調的な物価圧力が根強いほか、労働市場の逼迫、政策金利の急速な上昇による副作用に加え、直近見られた銀行セクターの混乱が金融セクター全体に波及する危険性がある、と警鐘を鳴らす。こうした中、政策の優先事項として、金融安定性を維持しつつインフレを目標水準に戻すための金融政策当局と金融規制監督当局による取組強化、生活費危機で最も苦しむ人々を対象とした的を絞った財政支援、グローバル金融セーフティネット強化や気候変動緩和、地経学的分断による悪影響の抑制などのための多国間の協調強化、といった対策を挙げる。本セミナーではIMFアジア太平洋地域事務所長の吉田昭彦氏を迎え、最新のWEOの報告内容に基づいて、世界・アジア太平洋地域の経済見通しや中期的な課題について展望していただく。

イベント概要

  • 日時:2023年6月2日(金) 12:15-13:15
  • 開催方法:オンライン開催(Live 配信)
  • 開催言語:日本語
  • 参加費:無料
  • 主催:独立行政法人経済産業研究所(RIETI)

講演者・略歴(敬称略)

スピーカー:
  • 吉田 昭彦(国際通貨基金(IMF)アジア太平洋地域事務所長)
    2022年12月1日にIMFアジア太平洋地域事務所(OAP)所長に就任。日本政府で長年にわたる卓越したキャリアを持ち、副財務官、国際局審議官(いずれも財務省)、金融庁国際担当参事官などの要職を歴任した。財務省在任中に為替市場課長、国際機構課長、開発政策課長、地域協力課長などを務め、G7、G20、ASEAN+3との関係を取り仕切った経験を通じ、アジア太平洋地域内外に幅広い人的ネットワークを築いている。国際経済政策の諸課題につき幅広い経験を有し、様々な職責において国際会議での日本代表を務めた。
    これらに先立つ2009年から2013年にかけて、IMFワシントン本部のアジア太平洋局(APD)に局長補佐として在籍。太平洋諸国へのIMF代表団長を務めたほか、アジア太平洋地域の能力構築戦略の策定に従事。現在はIMFタイ能力開発オフィス(CDOT)と呼ばれている、在バンコクのIMF技術支援オフィス立ち上げ(2012年)にも中心的な役割を果たした。
    東京都出身。東京大学法学部卒業、米プリンストン大学にて公共経営修士号(MPA)を取得。
コメンテータ:
  • 中島 厚志(RIETIコンサルティングフェロー / 新潟県立大学北東アジア研究所長 兼 国際経済学部教授)
モデレータ:
  • 佐分利 応貴(RIETI上席研究員 / 経済産業省大臣官房参事)