RIETI特別BBLセミナー

WTOは生き残れるか-多国間通商システムにおける「法の支配」と日本の役割

開催案内

1995年の設立から25年目に入った世界貿易機関(WTO)は、これまでおよそ600件の通商紛争を処理するなど、多国間通商システムの「法の支配」の成功例とされてきた。

しかしながら、WTOの「法の支配」の根幹である立法機能は、多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が頓挫し、数々の功績からWTOの「王冠の宝石」と賞賛されてきた紛争解決機能についても、その輝きを失いつつある。紛争解決手続きの要である上級委員会は、定員7名のうち4名が欠員のままで、12月10日にはさらに2名が任期切れで退任することから、実質的な機能停止に陥ってしまう。

多国間通商システムの「法の番人」が不在となるなかで、日本は今後どのような役割を果たすべきか。外務省で外務審議官(経済担当)、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部特命全権大使を務め、WTOの改革に第一線で取り組んでこられた日本国際問題研究所客員研究員の小田部陽一氏と、RIETIで「現代国際通商・投資システムの総合的研究(Ⅳ)」のプロジェクト・リーダーを務めるなど、WTO研究の第一人者である上智大学教授の川瀬剛志氏を講師としてお迎えし、WTO改革の課題と今後日本の果たすべき役割について議論する。

イベント概要

  • 日時:2019年12月9日(月)12:15-13:30(受付開始12:00)
  • 会場:RIETI国際セミナー室(東京都千代田区霞が関1丁目3番1号 経済産業省別館11階1121)
  • 開催言語:日本語
  • 参加費:無料
  • 主催:独立行政法人経済産業研究所(RIETI)
  • お問合せ:経済産業研究所 上野 ( )
         Tel: 03-3501-8398

定員に達したため、お申込受付を締め切らせていただきました。

講演者・略歴(敬称略)

  • スピーカー:小田部 陽一(元在ジュネーブ国際機関日本政府代表部特命全権大使 / 元外務審議官)

    1974年外務省入省。1995年在アメリカ合衆国日本国大使館参事官、1998年在大韓民国日本国大使館公使、2003年在フランス日本国大使館公使、2005年中東アフリカ局アフリカ審議官、2007年経済局長、2009年外務審議官(経済)を経て2011年在ジュネーブ国際機関日本政府代表部特命全権大使。2016年退官。現在公益財団法人日本国際問題研究所客員研究員。2010年フランス共和国レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ受章。

  • スピーカー:川瀬 剛志(上智大学法学部教授)

    神戸商科大学(現・兵庫県立大学)商経学部助手・講師・助教授、経済産業省通商機構部参事官補佐、(独)経済産業研究所研究員、大阪大学大学院法学研究科准教授を経て、2007年10月より現職。現在は産業構造審議会通商部会特殊貿易措置小委員会委員長を兼任。専門は国際経済法(通商・投資法)。慶應義塾大学法学部卒(1990)、米ジョージタウン大学法科大学院(LL.M.)修了(1994)。RIETIのファカルティフェローとしても活躍。

  • モデレータ:黒田 淳一郎(経済産業省通商政策局通商機構部長)

*講演内容および講演者は状況により変更することがありますのでご了承下さい。