RIETI Workshop

Dynamics in Finance and Economy on economic networks(開催報告)

イベント概要

  • 日時:2019年10月8日(火)- 9日(水)
  • 場所:経済産業研究所 国際セミナー室(経済産業省別館11階)
  • 共催:文部科学省 ポスト「京」萌芽的課題『複数の社会経済現象の相互作用のモデル構築とその応用研究』サブ課題「マクロ経済シミュレーション」

開催報告

本ワークショップは青山秀明ファカルティフェローの研究プロジェクト「経済ネットワークに基づいた経済と金融のダイナミクス解明」(2018年7月2日-2020年6月30日)を主体として開催された。

基調講演にはチューリッヒ工科大学(ETH)のFrank Schweitzer教授とキール大学のThomas Lux教授、招待講演に立正大学学長の吉川洋教授にお越しいただいた。また他に3名の海外からの研究者と10名ほどの国内研究者の参加も得た。

開会挨拶で矢野誠所長は、経済と金融の研究において、生粋の経済学者に加え、青山プロジェクトのように物理学・情報学等の広い範囲の研究者が結集して、持てる数理的手法を動員して研究にあたることの重要性を述べられ、本ワークショップの意義を強調された。 続いて、Schweitzer教授は経済を多層ネットワークの観点から観ることの重要性を踏まえ、その上での多くの経済危機を含む経済現象のモデル化などの最新の研究を紹介された。またLux教授は銀行間ネットワークについて諸外国での知られている実データもついて俯瞰され、それらに基づいたエージェント・モデルについて講演された。吉川教授は金融市場と実経済で「効率」の意味が本質的に異なることの重要性を強調された。

他の講演もそれぞれに多様な視点から経済を論じて、参加者間で活発な議論が行われ、今後の関連諸研究の前進に大きく役立つワークショップとなった。