RIETI-早稲田大学G-COE共催シンポジウム

日本の企業システムの進化:危機後の企業統治の再設計に向けて

開催案内

2008年9月のリーマンショックは、1980年代初頭にはじまりその後30年に渡って進展した規制緩和・資本市場の拡大の再検討を促す重要な契機となった。「行き過ぎた市場化」が指摘され、外国人投資家の増加が近視眼的な企業経営を誘発する、あるいは、雇用を犠牲にして経営者に過度な報酬が支払われているといった批判が強まった。他方、その逆に、日本企業の企業統治の国際標準からの遅れが、海外投資家の日本市場からの逃避を招いているとして、上場子会社の禁止、外部取締役の強制、持合いの解消の促進などの一連の制度改革が主張されている。

もっとも、いずれの主張も、正確な現状認識と制度変化の効果に関する十分な分析に支えられているわけではない。リーマンショック後の企業統治の再設計のためには、銀行危機以降、日本企業がいかなる要因によって、どの程度変化したのか、リーマンショックはこの日本企業の進化にどのようなインパクトを与えたのかを正確に理解する必要があると考えられる。RIETI「企業統治分析のフロンティア研究会」は、こうした問題意識から過去2年に渡って、銀行危機以降の企業統治に発生した変化を実証的に分析してきた。その成果は宮島英昭編『日本の企業統治:システムの進化と危機後の再設計』(東洋経済新報社)として公刊の予定である。この分析成果を広く公開して、現在進行中の会社法の議論に実証的角度から素材を提供する一方、法学者・実務家との間の対話を通じて、今後の企業統治の再設計の論点と今後の研究方向の示唆を得るべく、本分野で同様に研究を進めている早稲田大学G-COEとの共催により本シンポジウムを開催する。

イベント概要

  • 日時:2011年3月7日 (月) 13:00-18:00
  • 会場:東京會舘 12階ロイヤルルーム (東京都千代田区丸の内3-2-1)
  • 開催言語:日本語
  • 参加費:2000円(学生証提示の場合は 1000円)[公印を捺印した領収書を発行いたします。]
  • 主催:独立行政法人経済産業研究所、早稲田大学グローバルCOE《企業法制と法創造》総合研究所
  • お問合せ:RIETI 丸竹 公子 Tel: 03-3501-8398 Fax: 03-3501-8416

※後日、本サイトにて当日の模様の一部をビデオ映像でご紹介(動画配信)する予定です。また資料も後日、ダウンロードいただけます。

【シンポジウム映像の撮影と利用について】

プログラム

13:00 - 13:05 開会挨拶

藤田 昌久 (RIETI所長・CRO/甲南大学教授/京都大学経済研究所特任教授)

13:05 - 14:10 報告 「日本企業システムの進化をいかにとらえるか」

宮島 英昭 (RIETIファカルティフェロー/早稲田大学商学学術院教授・グローバルCOE《企業法制と法創造》総合研究所副所長・高等研究所所長)

14:10 - 14:30 コーヒーブレイク

14:30 - 16:00 パネルディスカッションⅠ:市場化の進展とその再検討

モデレータ:宮島 英昭 (RIETIファカルティフェロー/早稲田大学商学学術院教授・グローバルCOE《企業法制と法創造》総合研究所副所長・高等研究所所長)

パネリスト(五十音順)

小佐野 広 (京都大学経済研究所教授)

胥 鵬 (法政大学経済学部教授)

大杉 謙一 (中央大学法科大学院教授)

奈須野 太 (経済産業省経済産業政策局産業組織課長)

新田 敬祐 (ニッセイ基礎研究所主任研究員)

16:00 - 16:20 コーヒーブレイク

16:20 - 17:50 パネルディスカッションⅡ:内部ガバナンスの革新

モデレータ:宮島 英昭 (RIETIファカルティフェロー/早稲田大学商学学術院教授・グローバルCOE《企業法制と法創造》総合研究所副所長・高等研究所所長)

パネリスト(五十音順)

大杉 謙一 (中央大学法科大学院教授)

菊谷 達弥 (京都大学大学院公共政策連携研究部准教授)

齋藤 卓爾 (京都産業大学経済学部准教授)

広田 真一 (早稲田大学商学学術院教授)

松崎 裕之 (東京証券取引所上場部長)

17:50 - 18:00 コメント・閉会の辞

上村 達男 (早稲田大学法学学術院教授・早稲田大学グローバルCOE《企業法制と法創造》総合研究所所長)

18:00 - 交流会

*上記プログラムの講演内容および講演者は状況により変更することがありますのでご了承下さい。