調査の目的と背景
中小企業の資金調達に関しては、中小企業金融円滑化法の期限(2013年3月末)到来後の動向が注目されていることを踏まえ、法律廃止前後における企業の資金繰りや金融機関との関係の変化を、アンケート調査などにより明らかにする。特に、同法が赤字企業の延命に用いられてきたのではないかと指摘されていること、近年企業再生を支援する組織が官民により多く設立されていることを踏まえて、以下の内容を調査する。
- 条件変更先の経営改善・事業再生は進んでいるか。
- 金融機関や支援策は、条件変更先の経営改善・事業再生に寄与しているのか。
- 条件変更先に経営改善・事業再生を促す要因は何か。
- 経営不振企業が実際に存続している場合には、それはどのような要因によるものか、倒産件数が少ない一方で、廃業件数が多い原因は何か。
調査概要
- 調査対象
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中小企業を中心とする約2万社
- 調査手法
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郵送調査
- 有効回答数
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6,002社(30%)
- 実施時期
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平成26年(2014年)10月~11月
- 主な調査項目
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(1)企業属性と企業-金融機関関係
(2)返済条件の変更経験
(3)経営改善計画の内容
(4)返済条件変更以外の金融支援
(5)条件変更後の企業経営
関連リンク
- 2017年5月 17-E-086
"Forgiveness Versus Financing: The determinants and impact of SME debt forbearance in Japan" (ONO Arito and YASUDA Yukihiro) - 2017年4月 17-E-062
"Bank-Firm Relationship and Small Business Innovation" (XU Peng) - 2017年3月 17-J-016
「金融機関等による経営支援のあり方と企業の業況改善―金融円滑化法終了後における金融実態調査に基づいて―」 (家森 信善) - 2016年3月 16-E-030
"Multiple Lenders, Temporary Debt Restructuring, and Firm Performance: Evidence from contract-level data" (MIYAKAWA Daisuke and OHASHI Kazuhiko) - 2015年6月 15-J-028
「金融円滑化法終了後における金融実態調査結果の概要」 (植杉 威一郎、深沼 光、小野 有人、胥 鵬、鶴田 大輔、根本 忠宣、宮川 大介、安田 行宏、家森 信善、渡部 和孝、岩木 宏道)