プロジェクト概要
少子高齢化は日本では世界各国に類を見ないほど急速に進んでいる一方、日本の最大の貿易相手国である中国においても、深刻さの度合いを深めている。本研究は、日中それぞれについて若者世代と高齢世代を分けた実証的分析を日本と中国のマイクロ・データを用いて行う。第1に、少子化の主因の1つと指摘される深刻な晩婚化の実態やそれらの決定要因を明らかにする。第2に、高齢化による親と子の消費・貯蓄・就業行動、家庭内と家庭外の介護行動の変容と経済に与える影響を明らかにする。最後に、これらの実証研究を通じて得た構造パラメータ値とマクロ経済モデルを用いて、政策シミュレーション分析を行い、少子高齢化に関連する法律や税制、社会保障(年金、医療、介護)に関する日中比較を交えた政策提言を行う。これにより、本研究は社会規範・制度などの日中間の相違点及びその要因を明らかにする、という特色と独創性をもつ。
活動期間: 2014年9月 2日 〜 2016年8月31日
主要成果物
2015年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 15-E-095
"Understanding the Health Effects of the Death of Spouses in Modern China: Evidence from the city of Qingdao" (KAWATA Keisuke, WANG Meixin and YIN Ting) - 15-E-073
"Nonprofit/For-profit Facility and Difference of Wage Distribution: Evidence from the Japanese elderly care industry" (ITO Yutaka, KAWATA Keisuke and YIN Ting) - 15-E-062
"The Prodigal Son: Does the younger brother always care for his parents in old age?" (KOMURA Mizuki and OGAWA Hikaru) - 15-J-034
「専業主婦世帯の貧困:その実態と要因」 (周 燕飛) - 15-J-016
「主観的な所得の予想を使った恒常所得仮説の検証―中国のマイクロデータを使って―」 (殷 婷、暮石 渉、若林 緑)
2014年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 15-J-001
「退職後の消費支出の低下についての一考察」 (暮石 渉、殷 婷)