プロジェクト概要
2006年度~2007年度
日本経済にとって、イノベーションによる付加価値創造は最重要課題である。これまでの研究は、革新的な技術革新を起こし、それを基盤に市場・顧客ニーズに合致した商品を開発することができれば、国際競争力や生産性の向上に結びつくことが仮定されていた。しかし、近年の国際競争はより複雑性が高まり、日本企業が革新技術に成功して、そこから優れた商品を開発しても、付加価値創造に結びつかない事例が急速に増えている。技術経営の理論でいえば、「価値創造」はできても「価値獲得」ができないということである。特に、半導体やデジタル技術、通信技術を使った情報機器やデジタル家電において顕著である。日本企業が直面する価値獲得の失敗については、旧来のイノベーションシステムに関する理論枠組みでは説明できない部分が多い。本研究では、価値獲得のあり方を理論的・実証的に明らかにし、日本企業の国際競争力を高めるための提言を行う。
プロジェクト期間: 〜 2008年3月31日