プロジェクト概要
2006年度
弱いながらも景気回復の兆しが見られる中で、企業の業績は回復しつつある。しかし、平均賃金は回復の兆しを見せておらず、また非正規雇用が増え雇用の不安定化が進むなど、必ずしも景気回復の影響は労働者には及んでいない。このような雇用情勢の中、賃金格差の問題が注目を集めつつあるが、賃金格差の全体像を大規模な政府統計を使って明らかにする作業はそれほど進んでおらず、正規非正規間の賃金格差の発生原因や労働者の賃金階層の流動性が時系列的にどのように変化しているかなどはほとんどわかっていない。
本研究は、社会的な関心問題と厳密な実証分析の間のギャップを大規模政府統計の個票を用いて埋めることを目的とし、厳密な実証分析を元に望ましい労働・雇用政策への示唆を与えることを最終目標とする。