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2007年度政策研究領域(基盤政策研究領域)

II. 国際競争力を維持するためのイノベーションシステム

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我が国企業が国際競争力を維持していくためには、持続的なイノベーションが不可欠である。しかしイノベーションは、これを促進する政策も含め、それらを効果測定するのが難しい分野である。したがって、この研究の実施にあたっては、企業、産業レベルのイノベーションとマクロ経済の全要素生産性の相互関係を明らかにする理論的・実証的な分析枠組みが求められる。その中で、我が国産業が置かれている状況や個々の産業技術政策についての評価や分析を、イノベーション政策に活用していく。

1. 日本企業の研究開発の構造的特徴と今後の課題

活動期間:〜2008年4月30日

プロジェクトリーダー

長岡 貞男ファカルティフェロー

プロジェクト概要

日本経済の今後の成長のために、企業等における優れた研究開発が極めて重要である。しかしながら、研究開発の知識源、外部連携、スピルオーバー、資金制約、研究成果商業化への制約、発明者の動機などについての社会科学的知識は非常に限定されている。本研究では、企業内の研究プロジェクトのレベルでこうした情報を体系的に収集するために、日本の発明者への包括的なサーベイを行う。このようなサーベイは日本で初めての取り組みとなる。また、サーベイで得られた情報と既存統計を組み合わせた統計的分析によって、日本企業の研究開発の構造的な特徴(たとえば、製造現場における発明の重要性)を明らかにすると共に、研究開発パフォーマンスの決定要因と今後の政策課題を分析する。更に、来年度以降、国際比較分析を実施するために、質問票や調査方法について欧州と米国の学者との国際的な意見交換など準備作業を行う。

主要成果物

RIETIディスカッションペーパー

RIETI政策シンポジウム

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2. 東アジアにおけるリージョナル・イノベーションと企業経営

活動期間:〜2007年6月30日

プロジェクトリーダー

浅川 和宏ファカルティフェロー

サブリーダー

三本松 進コンサルティングフェロー

プロジェクト概要

近年、企業が自国の優位性のみに立脚せず世界中の経営資源を獲得、活用してグローバル規模の競争優位を構築するといったメタナショナル経営の重要性が強調されている。しかし現状は依然、大企業を軸とし先進国を中心としたグローバル・イノベーションが主流である。そうした中、最近の東アジアにおける液晶ディスプレイ産業の動向は注目に値する。日韓台を中心とする東アジア地域でのイノベーションの連鎖による産業創造過程は、もはや先進国至上主義、自国中心主義では成り立たない。本プロジェクトでは、こうしたグローバル・イノベーションの新たな傾向に注目し、(1)東アジアにおける液晶ディスプレイ産業および(2)中小企業による東アジア展開に焦点を当て、グローバルないしリージョナル・イノベーションの新たな展開を分析し、わが国の企業経営ないし産業政策への示唆を導出したい。

主要成果物

RIETIディスカッションペーパー

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3. 産業・企業の生産性と日本の経済成長

活動期間:2007年6月1日〜2008年4月30日

プロジェクトリーダー

深尾 京司ファカルティフェロー

プロジェクト概要

人口の減少と高齢化が進む今後の日本経済が活力を維持するには、生産性上昇率の加速による経済成長の維持が欠かせない。このような問題意識から、本プロジェクトでは、日本の経済成長と産業構造変化を分析するための基礎資料として、日本産業生産性データベース(Japan Industrial Productivity Database、以下ではJIP)を原則として毎年更新し、詳細な産業レベルのTFPの動向やその決定要因について分析する。また欧州連合(EU)の生産性に関する国際連携プロジェクト"EU KLEMS"に参加することにより、日本の産業構造や産業別生産性動向を、米国やEU加盟国、韓国など、他の先進諸国と比較する。本プロジェクトでは更に、非製造業を含め大部分の日本企業をカバーするJIPミクロ・データベースや政府統計の個票を使って、企業の国際化や無形資産蓄積が企業の生産性にどのような影響を与えるかを分析する。

主要成果物

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RIETI政策シンポジウム

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4. 生産性向上に関するマクロ・産業・企業レベルの統合的アプローチ

活動期間:〜2008年6月30日

プロジェクトリーダー

西山 慶彦ファカルティフェロー

サブリーダー

市村 英彦ファカルティフェロー

プロジェクト概要

90年代は「失われた10年」などともいわれ、生産性低下の時代であったと理解されている。しかし、何を真因としてマクロ的生産性低下が見られたのかは決して明らかではない。個々の企業の生産性の低下、低生産性企業の参入、高生産性企業の退出などの原因が考えられるが、事実としてどのような原因であったのかを探ることは実証的な問題である。これに対しては適切な経済モデルと適切な統計手法を組み合わせて調べる必要があるが、既存研究の中には直接適用することが妥当なものがないのが実情である。この先目指すべき持続可能な成長といった観点からも、企業や産業といった下部構造の変化とマクロレベルの変化の統一的理解は重要な課題である。本研究はこの問題に対し、理論・実証両面の包括的なアプローチを試みる。

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5. 大学・公的研究機関と民間企業との共同発明の研究

活動期間:〜2007年12月31日

プロジェクトリーダー

玉田 俊平太ファカルティフェロー

プロジェクト概要

企業が新製品を開発するための技術課題の解決に必要とされる科学的知識や技術的知識を組織内で得ることができない場合、大学や独立行政法人等の公的研究機関と連携することが有効と考えられる。一方で、他の組織との連携にはサーチや契約のためのコストがかかる。本研究は、公的研究機関に属する研究者と民間企業に属する研究者との共同発明について調査研究を行うことを通じ、大学や独立行政法人等の公的研究機関が果たしている役割について明らかとするとともに、我が国のイノベーションシステムを一層強化するための政策に対するインプリケーションを得ることを目的とする。

主要成果物

RIETIディスカッションペーパー

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6. イノベーションによる価値獲得:情報機器・デジタル家電における日本企業の競争力と付加価値創造

活動期間:〜2008年3月31日

プロジェクトリーダー

延岡 健太郎ファカルティフェロー

プロジェクト概要

日本経済にとって、イノベーションによる付加価値創造は最重要課題である。これまでの研究は、革新的な技術革新を起こし、それを基盤に市場・顧客ニーズに合致した商品を開発することができれば、国際競争力や生産性の向上に結びつくことが仮定されていた。しかし、近年の国際競争はより複雑性が高まり、日本企業が革新技術に成功して、そこから優れた商品を開発しても、付加価値創造に結びつかない事例が急速に増えている。技術経営の理論でいえば、「価値創造」はできても「価値獲得」ができないということである。特に、半導体やデジタル技術、通信技術を使った情報機器やデジタル家電において顕著である。日本企業が直面する価値獲得の失敗については、旧来のイノベーションシステムに関する理論枠組みでは説明できない部分が多い。本研究では、価値獲得のあり方を理論的・実証的に明らかにし、日本企業の国際競争力を高めるための提言を行う。

主要成果物

RIETIディスカッションペーパー

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7. 複雑化する人工物と設計プロセスおよび製品アーキテクチャの実証分析

活動期間:2007年7月24日〜2009年4月30日

プロジェクトリーダー

藤本 隆宏ファカルティフェロー

サブリーダー

大鹿 隆ファカルティフェロー

プロジェクト概要

一般に、企業が市場に供給する製品について、顧客の要求機能や社会的な制約条件(環境・安全対応など)が高度化・複合化すると、モジュラー化による対応は難しくなり、製品はインテグラルかつ複雑なものになりやすい。とりわけ、被制御系の機構部品(メカ)が多く残り、結果としてメカ・エレキ・ソフトが共進化する自動車のような製品の場合、被制御系であるメカ設計と、制御系であるエレキ・ソフト設計の間の相互協調が要求される。本研究では、以上のような視点に立って、現代における「製品の複雑化」という問題を、設計論の観点から探索的に考察する。具体的には、企業が市場に供給する製品を「人工物」(設計されたもの)と解釈し、それが複雑化・簡素化する諸要因と企業の対応について分析する。

主要成果物

RIETIディスカッションペーパー

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8. 我が国半導体型産業におけるイノベーション・プロセスに関する調査・分析

活動期間:〜2008年3月31日

プロジェクトリーダー

中馬 宏之ファカルティフェロー

プロジェクト概要

サイエンス型産業において効果的なイノベーションを実現するためには、企業内外の多種多様な専門知識(英知)を、より広範囲にわたって結集することが不可避となる。しかし、残念ながら我が国においては、優れた英知が各所で生み出されてはいるものの、半導体産業に典型的に見られるように、それらの結集範囲拡大速度の(相対的な)低下によって、国際的な市場において競争力を発揮できなくなる実例が出はじめている。本研究では、このような現実認識に基づき、特に90年代後半以降において我が国半導体メーカーが経験した汎用DRAMビジネスの急激な盛衰プロセス事例を取り上げ、その主要因を、日米韓競合メーカーの研究開発・量産・マーケティング戦略を比較検討することにより明らかにする。

主要成果物

RIETIディスカッションペーパー

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9. ソフトウエア・イノベーションについての実証的研究

活動期間:〜2009年5月31日

プロジェクトリーダー

田中 辰雄ファカルティフェロー

サブリーダー

鈴木 潤ファカルティフェロー

プロジェクト概要

周知のように、ソフトウェア産業での日本の競争力は弱い。ソフトウェア産業全体では圧倒的に輸入超過であり、輸出は輸入の1割にも満たない。付加価値の高い先端技術産業のなかで、これだけ圧倒的に日本の競争力がない産業は珍しい。また、このことはIT技術を利用したビジネスプロセスの革新においても悪影響をもたらしている可能性もある。これはなぜであろうか。なぜこんなにも競争力の格差が生じたのだろうか。競争力を高めるための政策的処方箋はありうるのだろうか。本研究の目的は、この問いに答えるための仮説を実証的に検討することで、日本のソフトウェア・イノベーションの現状を把握し、ソフトウェア産業の競争力強化とソフトウェアを利用したビジネス革新の推進のための政策を考えることにある。

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10. 今後のプロパテント政策のあり方について

プロジェクトリーダー

清川 寛上席研究員

プロジェクト概要

我が国の生き残りにはイノベーションの推進が不可欠であり、それを支える制度の1つに知的財産権制度がある。我が国の知財権制度は2003年の知財戦略本部の設置以来、いわゆるプロパテントとしてその保護の強化が行われ、それ以前を含めての特許法の数次の改正や運用あるいは司法面での改善等々もあって、その保護水準は相当に整備されたと思われる(拙著「わが国におけるプロパテント化の評価と今後の課題」経済産業ジャーナル2007年4月号参照)。しかるに研究開発の複雑化・迅速化等は益々進み、今や企業単独での遂行は難しい状況となり、ためにソフト分野等を中心にオープンイノベーションの動きがあり、またいわゆる「連携」も各所で進んでいる。他方、知財権はその本質を排他権とするところ、それは「私的権利(Proprietary)」であり全体利益というか連携・協働とは相容れない側面がある。加えて排他権は市場競争を歪め、その過度の行使はイノベーション自体をも阻害するおそれもある(たとえばリーザーチツール、特許の藪、果てはトロール、等)。研究開発促進にはそのインセンティブからの保護も必要であるが、全体としてのイノベーションを損なって元も子もない。このような状況から、保護の側面は一応の成果を得たわが国知財権制度が、今後、イノベーションをより促進するためには如何にあるべきかを検討する。

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11. 産業クラスターに関する調査研究(RIETI負担分)

プロジェクトリーダー

児玉 俊洋京都大学経済研究所教授

プロジェクト概要

イノベーション力の強化と地域経済の活性化のため、各地において産業クラスター形成への取り組みが行われている。本研究は、経済産業省の「産業クラスター計画」の先進事例と位置づけられている首都圏西部のTAMA(Technology Advanced Metropolitan Area)、および、ハイテク企業と有力大学が集積する京滋地域(京都府南部から滋賀県南部にかけての地域)を対象とする実証分析を中心として、産業クラスターが有効なイノベーションシステムとして発展するための方策を探ることを目的としている。平成19年度においては、理論面の考察を深めるとともに、企業ヒアリングの実施など京滋地域の調査の継続、自治体等行政、公的産業支援機関、大学関係者等との研究会の開催、ならびに、企業および一般を対象とする公開シンポジウムの開催(平成19年11月19日)を通じて、実践的な政策提言を行うための研究を行っている。

主要成果物

先端政策シンポジウム

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12. 日本における無形資産の研究

活動期間:2007年4月2日〜2008年10月31日

プロジェクトリーダー

宮川 努ファカルティフェロー

プロジェクト概要

1990年代の世界経済を特徴づける現象は「IT革命とグローバル化」である。米国は、IT革命をいち早く経済活動に取り入れることにより、90年代後半から生産性が飛躍的に上昇した。一方、日本ではバブル崩壊後の長期停滞が続き、こうしたグローバル経済の動向よりも、長期停滞からの脱却策に注力せざるを得ない状況が続いていた。こうした中でHayashi and Prescott (2002)が「日本の長期停滞の背景には生産性の下落がある」と指摘したことにより、日本でも生産性の問題があらためて注目を浴びることになった。日本経済は米国や中国を中心とした世界的な景気の上昇局面が終われば、再び景気後退を余儀なくされるという脆弱な体質を抱えている。こうした外需依存を乗り越え、労働人口減少局面において真に自立的な安定成長基盤を作り上げるためには、労働投入量で60%以上のシェアを有しながら欧米に比して生産性が低いサービス業の生産性向上が不可欠である。そのためには、IT技術を有効に使う無形資産の補完が必要であるという認識が高まっており、最近では広告費の蓄積に伴うブランド資産や人的資本、企業組織変革の蓄積による組織資本などの役割が注目されるようになっており、このプロジェクトでは、マクロ、ミクロ面における無形資産の計測から経済全体に与える影響まで、日本における無形資産に関わる経済問題を包括的に研究する。

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13. New Technology‐based Firms(NTBFs)の簇業・成長・集積のためのEco-systemの構築

活動期間:2007年7月9日〜2009年12月31日

プロジェクトリーダー

西澤 昭夫ファカルティフェロー

プロジェクト概要

大学の研究成果によるプロダクトイノベーションを実現するため、その担い手となるNew Technology-based Firms (NTBFs)を数多く創業(=簇業)させ、これらNTBFsの成長・集積により、大学を擁する地域からハイテク産業を創出させる政策が世界的潮流となっている。しかし、わが国では、成功事例が未だ出現しないだけでなく、先駆的事例として注目された「札幌バレー」は発展へのモメンタムを失いつつあるとも評価される。わが国では、有力な研究大学を擁する地域においてさえ、NTBFsの簇業・成長・集積を通じたイノベーションの実現によるハイテク産業創出というモデルが機能しないのはなぜか、NTBFs簇業・成長・集積を阻むいかなる障害があるのか。この点を実証的かつ理論的に明らかにし、Eco-system構築に向けたベンチマークを作成することが本研究の目的となる。

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14. サービス産業生産性向上に関する現状分析及び生産性を向上させるための方策などに関する研究

活動期間:2007年7月17日〜2008年6月30日

プロジェクトリーダー

権 赫旭ファカルティフェロー

サブリーダー

松浦 寿幸研究員

プロジェクト概要

本研究プロジェクトでは、欧米に比べて生産性低いと言われている我が国の非製造業(広義のサービス業)に焦点を当て、(1)わが国のサービス業の生産性の現状を明らかにし、(2)生産性を改善させるための必要な政策手段を明らかとすることを目的とする。(1)としては、サービス業の生産性計測上の問題点を整理し、諸外国におけるサービス業の生産性計測のための施策についてサーベイする。さらに、わが国のサービス業の特性を、欧米諸国や製造業と比較することで、わが国サービス業の生産性の現状を整理する。(2)では、規制改革とIT投資に注目し、1990年代に規制改革やIT投資が進展した産業において、産業構造がいかに変化し、生産性にどのような影響がもたらされたかを明らかにする。

主要成果物

RIETIディスカッションペーパー

RIETIポリシーディスカッションペーパー

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