プロジェクト概要
安倍政権が企業統治の強化を成長戦略の一環に位置付けて以来、日本企業の統治制度をいかに設計するかは大きな注目を集めている。本プロジェクトでは、日本企業の成長を促進する企業統治体制の構築を検討する。分析にあたっては、これまで我々が強調してきた日本企業の統治構造の多様化を重視する一方、単に英米企業だけではなく大陸ヨーロッパ企業やアジア企業との比較を試みる。また、分析の枠組みとしては、企業統治制度、所有構造、企業行動、企業パフォーマンスの相互依存関係を十分に考慮する。さらに、制度設計にあたっては、実証分析を基礎に客観的なエビデンスを提供する一方、株主の利害と他のステークホルダーのコミットメントの適切なバランスの構築を構想する。こうした視角から、本プロジェクトでは、1)リスクテイクを促進する企業統治・金融システムの構築、2)適切な株式所有構造、長期的株主と他のステークホルダーのコミットメントを可能とする取締役会の設計、3)国際比較を通じた企業パフォーマンスの分布と統治構造の関係性の解明を主要な分析課題とする。
活動期間: 2015年4月 1日 〜 2016年9月30日
主要成果物
2015年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 16-E-053
"Convergence or Emerging Diversity? Understanding the impact of foreign investors on corporate governance in Japan" (MIYAJIMA Hideaki and OGAWA Ryo) - 16-E-029
"The More-Money and Less-Cash Effects of Diversification: Evidence from Japanese firms" (USHIJIMA Tatsuo) - 16-J-039
「企業統治制度の変容と経営者の交代」 (齋藤 卓爾、宮島 英昭、小川 亮)