データ・統計

JIPデータベース2010

日本産業生産性(JIP)データベースについて

経済産業研究所(RIETI)の「産業・企業生産性」プロジェクトでは一橋大学のグローバルCOEプログラム「社会科学の高度統計・実証分析拠点構築」と協力して、日本の経済成長と産業構造変化を分析するための基礎資料である、日本産業生産性データベース(Japan Industrial Productivity Database、以下ではJIPと略記)の改訂と更新を進めてきた。

今回このウェブ・ページで公開するのは、JIP 2010(2010年12月24日)である。JIP 2010は、1970年から2007年に関する、各部門別に全要素生産性(TFP)を推計するために必要な、資本サービス投入指数と資本コスト、質を考慮した労働投入指数と労働コスト、名目および実質の生産・中間投入、TFPの上昇率を計算した成長会計の結果、などの年次データから構成されている。

今回の更新は、以下のように基礎となる統計を一新し、産業分類も一部組み替えるなど、大幅なものであった。

1)1980年までの長期遡及を含む平成20年度国民経済計算の系列(2000年基準、固定基準年方式)を、1980年以前に関する平成10年度国民経済計算の長期遡及系列(1990年基準、68SNA)と1980年でリンクすることで、コントロール・トータルを作成した。

2)産業連関表や労働投入の推計に、新たに総務省の1995-2000-2005年接続産業連関表を利用した。また資本ストック推計に、新たに2005年産業連関表の固定資本マトリックスを利用した。

3)JIP 2009まではJIP74:道路運送業に含まれていた「道路輸送施設提供」をJIP77:その他運輸業・梱包に移動した。

4)RIETIで行ったJIP基本表の推計マニュアル作成と推計のシステム化に伴い、推計方法を一部変更した。

変更の詳細については、以下のデータ・ダウンロードのパートでリンクを張ったファイルを参照されたい。

以下では利用者の便宜のため、JIP 2006最終版のウェブ・ページに掲載していた解説を転載するが、推計方法の詳細については、深尾京司・宮川努(編)『生産性と日本の経済成長:JIPデータベースによる産業・企業レベルの実証分析』東京大学出版会、2008年3月を参照されることをお薦めする。

なお、貿易・直接投資・市場集中度・技術知識ストックなどに関する付帯表は順次更新し、公表する予定である。

我々のプロジェクトにおいてJIP 2010構築を主に担当したのは、以下の研究者である。

産業連関表

  • 松浦 寿幸 (慶應義塾大学産業研究所専任講師)
  • 金 榮愨 (専修大学経済学部講師)
  • 権 赫旭 (日本大学経済学部准教授/RIETIファカルティフェロー)
  • 深尾 京司 (一橋大学経済研究所教授/RIETIファカルティフェロー)

資本

  • 宮川 努 (学習院大学経済学部教授/RIETIファカルティフェロー)
  • 乾 友彦 (内閣府経済社会総合研究所上席主任研究官/日本大学経済学部教授)
  • 比佐 章一 (横浜市立大学国際総合科学部国際経営コース准教授)

労働

  • 徳井 丞次 (信州大学経済学部教授)
  • 牧野 達治 (一橋大学経済研究所COE研究員/RIETIリサーチアシスタント)

付帯表

  • 伊藤 恵子 (専修大学経済学部准教授):職種別従業者数割合
  • 乾 友彦 (内閣府経済社会総合研究所上席主任研究官/日本大学経済学部教授):規制指標
  • 松浦 寿幸 (慶応義塾大学産業研究所専任講師):対外直接投資統計
  • 清田 耕造 (横浜国立大学国際社会科学研究科・経営学部准教授):相手国別財貿易統計
  • 田中 清泰 (アジア経済研究所新領域研究センター研究員):主要相手国・地域別サービス貿易シェア

なお、推計作業に当たっては、旧版のJIPデータベース(JIP 2003)推計を行わせていただいた内閣府経済社会総合研究所(ESRI)から全面的な支援を得ることが出来た。深く感謝したい。 JIP 2010の特徴としては、JIP 2009と同じく、1)公共財としてデータベースおよびその基礎データを原則として全て公開、2)93SNAに準拠しコントロール・トータルには原則として国民経済計算を使う、3)EU主要国、米国、韓国等について産業別に全要素生産性の推計を行ってきたEU KLEMSプロジェクトの後継プロジェクトである国際産業連関表データベース(WIOD)プロジェクトに参加し、日本を含めた生産性絶対水準の国際比較を可能にする、等があげられよう。

深尾 京司
宮川 努

推計方法について

JIPデータベースの作成方法については、以下の資料を参照されたい。

※データのご利用にあたって

データをご利用の際は、出所として、経済産業研究所JIP 2010データベースを利用した旨、明記して頂くようお願いします。また、本データを利用して論文を作成・発表される場合、差し支えなければ、コピーを一部お送りいただけるようお願いします。

お問い合わせ
一橋大学経済研究所JIPデータベース室
e-mail:jip-info@ier.hit-u.ac.jp

生産性Q&A

データ・ダウンロード

Microsoft Excelをお持ちでない方は、マイクロソフトより無償で提供されるExcel Viewerをインストールすることで閲覧や印刷ができるようになります。

1.産業連関表

  1. 11年8月5日更新

    1) 部門別産出額・中間投入額 (名目) [XLS:86KB]

  2. 11年8月5日更新

    2) 部門別産出額・中間投入額 (実質) [XLS:86KB]

  3. 11年8月5日更新

    3) 内生部門中間投入行列 (名目) [ZIP:2.46MB]

  4. 11年8月5日更新

    4) 内生部門中間投入行列 (実質) [ZIP:2.46MB]

  5. 12年3月1日更新

    5) 粗付加価値額内訳 [XLS:188KB]

    ※JIP2010付加価値系列の72住宅~108分類不明の営業余剰と雇用者所得の系列に誤りがあることが判明しましたので、修正版を公表しました。

  6. 11年8月5日更新

    6) 部門別項目別最終需要 (名目) [XLS:442KB]

  7. 11年8月5日更新

    7) 部門別項目別最終需要 (実質) [XLS:442KB]


2.資本

11年8月5日更新

1) 投資データ [XLS:575KB]

  1. i) 部門別名目投資フロー (100万円)
  2. ii) 資産別名目投資フロー (100万円)
  3. iii) 部門別実質投資フロー (100万円、2000年価格)
  4. iv) 資産別実質投資フロー (100万円、2000年価格)
  5. v) 部門別資本投入指数 (2000=1.000)
  6. vi) 部門別資本の質指数 (2000年=1.000)
  7. vii) 部門別実質純資本ストック 年平均成長率 (%)
  8. viii) 部門別実質純資本ストック (100万円、2000年価格)
  9. ix) 資産別実質純資本ストック (100万円、2000年価格)
  10. x) 名目資本コスト (名目資本サービス価格*実質資本ストック)、単位:100万円

11年8月5日更新

2) IT投資データ [XLS:659KB]

  1. i) 名目IT投資フロー
  2. ii) 実質IT投資フロー
  3. iii) 名目IT投資フロー (ハードウエア)
  4. iv) 実質IT投資フロー (ハードウエア、2000年価格)
  5. v) 名目IT投資フロー (ソフトウエア)
  6. vi) 実質IT投資フロー (ソフトウエア)
  7. vii) IT資本ストック
  8. viii) 非IT資本ストック

3) 投資・資産マトリックス

  1. 11年8月5日更新

    i) 名目投資マトリックス [XLS:2.49MB]

  2. 11年8月5日更新

    ii) 実質投資マトリックス [XLS:2.5MB]

  3. 11年8月5日更新

    iii) ストック・マトリックス [XLS:2.62MB]


3.労働

  1. 11年8月5日更新

    1) 部門別労働投入指数 [XLS:98KB]

  2. 11年8月5日更新

    2) 部門別労働投入指数 期間別平均成長率 [XLS:52KB]

  3. 11年8月5日更新

    3) 部門別マンアワー指数 (2000年=1.000) [XLS:98KB]

  4. 11年8月5日更新

    4) 部門別マンアワー指数 期間別平均成長率 [XLS:52KB]

  5. 11年8月5日更新

    5) 部門別労働の質指数 (2000年=1.000) [XLS:114KB]

  6. 11年8月5日更新

    6) 部門別労働の質指数 期間別平均成長率 [XLS:52KB]

  7. 11年8月5日更新

    7) 部門別従業者数 (人) [XLS:99KB]

  8. 11年8月5日更新

    8) 部門別マンアワー (1000人×年間総実労働時間) [XLS:99KB]

  9. 11年8月5日更新

    9) 部門別名目労働コスト (100万円) [XLS:99KB]

  10. 11年8月5日更新

    10) 女性比率 [XLS:44KB]

  11. 11年8月5日更新

    11) パートタイム労働者比率 [XLS:44KB]

  12. 11年8月5日更新

    12) 55歳以上労働者比率 [XLS:44KB]


4.成長会計 [ZIP:1.67MB]

11年8月5日更新

  1. 1) シート名一覧
  2. 2) 集計部門の定義
  3. 3) 実質産出(100万円、2000年価格)
  4. 4) 実質産出伸び率
  5. 5) 名目産出(100万円)
  6. 6) 中間投入指数(ディビジア指数、2000年=1.000)
  7. 7) 実質中間投入(単純集計、100万円、2000年価格)
  8. 8) 名目中間投入(100万円)
  9. 9) 名目付加価値(100万円)
  10. 10) 労働投入指数(ディビジア指数、2000年=1.000)
  11. 11) 名目労働コスト(100万円)
  12. 12) 労働の質指数(2000年=1.000)
  13. 13) マンアワー指数(2000年=1.000)
  14. 14) 資本サービス投入指数(ディビジア指数、2000年=1.000)
  15. 15) 名目資本サービス(名目資本サービス価格*実質資本ストック、100万円)
  16. 16) 資本の質指数(2000年=1.000)
  17. 17) 実質資本ストック指数(2000年=1.000)
  18. 18) 生産要素別コストシェア
  19. 19) 産業別TFP
  20. 20) 各生産要素の寄与(付加価値ベース)
  21. 21) 各生産要素の寄与(産出ベース)
  22. 22) 成長会計(付加価値ベース)
  23. 23) 成長会計(産出ベース)
  24. 24) TFP上昇率の推移(付加価値ベース)

関連ウェブ・サイト

EU KLEMS Database, November 2009

日本、米国、EU加盟国を対象とし、2007年まで(日本は2006年まで)をカバーするデータベースEU KLEMS Database, November 2009が公開されました。データおよび解説は
http://www.euklems.net/
からダウンロードできます。

経済産業研究所の「産業・企業生産性」プロジェクトは、JIPデータベースを更新・EU KLEMS用に再集計したデータをEU KLEMSプロジェクトに提供する事で、協力しています。