世界18カ国の産業別名目・実質実効為替レート

概要

経済産業研究所(RIETI)の伊藤隆敏ファカルティフェローによる「国際マクロ」プログラムでは、東アジアにおいて将来望ましい為替制度の構築を目指して、為替政策の国際協調に関する研究を進めている。この研究の一環として、横浜国立大学経済学部附属アジア経済社会研究センターと共同で、2011年6月より産業別の名目実効為替レートおよび実質実効為替レートを公開してきた。2015年3月からは、アジア9カ国の産業別実効為替レート(名目および実質)を月次データと日次データの両方を公表している。さらに、2016年4月から新たに欧州・北米・オセアニア9カ国を加えて、世界18カ国の産業別実効為替レートを公開する。

アジア諸国

日本
日本の実質実効為替レート(日次)グラフ
韓国
韓国の実質実効為替レート(日次)グラフ
中国
中国の実質実効為替レート(日次)グラフ
台湾
台湾の実質実効為替レート(日次)グラフ
シンガポール
シンガポールの実質実効為替レート(日次)グラフ
マレーシア
マレーシアの実質実効為替レート(日次)グラフ
タイ
タイの実質実効為替レート(日次)グラフ
インドネシア
インドネシアの実質実効為替レート(日次)グラフ
フィリピン
フィリピンの実質実効為替レート(日次)グラフ

欧州・北米・アセアニア諸国

米国
米国の実質実効為替レート(日次)グラフ
カナダ
カナダの実質実効為替レート(日次)グラフ
ドイツ
ドイツの実質実効為替レート(日次)グラフ
フランス
フランスの実質実効為替レート(日次)グラフ
英国
英国の実質実効為替レート(日次)グラフ
イタリア
イタリアの実質実効為替レート(日次)グラフ
スペイン
スペインの実質実効為替レート(日次)グラフ
ギリシャ
ギリシャの実質実効為替レート(日次)グラフ
オーストラリア
オーストラリアの実質実効為替レート(日次)グラフ

※図をクリックすると拡大されます。

※最終更新日:2016年12月09日
月次データは毎月初めに更新、日次データは平日毎日更新

データの説明

このデータベースの最大の特徴は、アジア・欧州・北米・オセアニア諸国を中心に世界の29カ国を対象として「産業別の生産者物価指数」を収集し、実質実効為替レートを産業別に構築している点にある。実質実効為替レートは当該国の輸出価格競争力を測る指標として用いられるが、実際には、輸出価格競争力は産業別に異なりうる。たとえば、日本の電気機械産業(例:電子部品)と輸送用機器産業(例:自動車)の競争力が異なることは容易に理解できるだろう。Sato, Shimizu, Shrestha and Zhang (2013) は、産業別実質実効為替レート(Industry-specific Real Effective Exchange Rate: I-REER)を用いて日本と韓国の両産業の輸出価格競争力を比較している。

産業別実質実効為替レートの用途は、「産業別」のデータとしての利用にとどまらない。各産業の加重平均値である「全産業」の実質実効為替レート(Avg-I-REER)は、当該国の輸出競争力を測る優れた指標である。Sato, Shimizu, Shrestha and Zhang (2015) は、BIS (Bank for International Settlements) が公表する実質実効為替レート(BIS-REER)との比較分析を行い、アジア9カ国のうちの5カ国において、Avg-I-REERとBIS-REERの動きが大きく異なることを示している。さらに、Avg-I-REERで測った実質実効為替レートの増価は実質輸出に有意に負の影響を及ぼすのに対して、BIS-REERを用いた場合は実質輸出に有意な影響を与えないことを実証分析によって明らかにしている。

また、昨今の急激な円レートの変動が示唆するように、為替レートは数日でも大きく変化しうる。月次データではこのような短期の為替レートの変化をタイムリーに観察することができない。それを可能にするために、月次と日次の両方の実効為替レートを構築し、ここに公開する。

このデータベースの作成を担当したのは、横浜国立大学経済学部附属アジア経済社会研究センターの佐藤清隆教授、ナゲンドラ・シュレスタ准教授、章沙娟氏、そして学習院大学の清水順子教授である。

産業別実質実効為替レートのデータ構築の詳細はSato, Shimizu, Shrestha and Zhang (2013, 2015) で説明されている。産業・相手国別貿易ウエイトについては、追加資料 [PDF:177KB]を参照されたい。本データベースの利用に際してはRIETIのウェブサイトからダウンロードしたことを明記するとともに、謝辞として下記の論文を引用して頂きたい。

  • Sato, Kiyotaka, Junko Shimizu, Nagendra Shrestha and Shajuan Zhang, 2013, "Industry-specific Real Effective Exchange Rates and Export Price Competitiveness: The Cases of Japan, China and Korea," Asian Economic Policy Review, 8(2), pp.298-321.
  • Sato, Kiyotaka, Junko Shimizu, Nagendra Shrestha and Shajuan Zhang, 2015, "Industry-specific Real Effective Exchange Rates in Asia," RIETI Discussion Paper, 15-E-036.