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日本・中国・韓国の産業別名目・実質実効為替レートのデータベース構築

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日本・中国・韓国の産業別名目・実質実効為替レートのデータベース構築

日本・中国・韓国の産業別名目・実質実効為替レートのデータベース構築の目的

経済産業研究所(RIETI)の伊藤隆敏ファカルティフェローによる「アジアの最適為替制度」プロジェクトでは、東アジアにおいて将来望ましい為替制度の構築を目指した為替政策の国際協調に関する研究を進めてきた。その一環として、2005年よりアジア通貨単位(AMU)のデータ構築・公開を行い、アジア通貨の対AMUの動きを観察する重要性を提案している。一方で、リーマンショック以降長年続いてきた円高トレンドの修正が始まった日本円に対して、対米ドルだけではなく実効ベースで日々の為替変動を注視するニーズが高まっている。

RIETI独自の日本円の実効為替レートのデータベースは、2011年6月より産業別の名目実効為替レート、2012年5月より産業別の実質実効為替レートを公開している。このデータベースの最大の特徴は、日次の実効為替レートを名目と実質の両方で産業別に公開している点にある。昨今の急激な円レート変動の影響をタイムリーに観察するためには、日次の実効為替レートが必要であろう。また、産業別の実効為替レートを公表することで、各産業の対外競争力がどのような影響を受けているかを知ることができる。

アジアでは、日本円のみならず、中国元や韓国ウォンの為替相場も変動しており、日本製造業の競争相手である両国の産業の競争力にも大きな影響を与えている。そこで、2013年4月より、中国元および韓国ウォンの産業別の名目・実質実効為替レートデータを公開する。

同プロジェクトは、RIETIと横浜国立大学経済学部附属アジア経済社会研究センターとの共同研究プロジェクトであり、同センターの佐藤清隆委員、ナゲンドラ・シュレスタ委員、章沙娟RA、そして学習院大学の清水順子委員が産業別名目・実質実効為替レートを計算し、ここに公開するものである。

以下、産業別名目実効為替レートと産業別実質実効為替レートの算出方法について日本円の場合を例として解説する。中国元、韓国ウォンについても同様の計算がなされる。算出方法のより詳しい内容については、下記の3本の論文を参照されたい。

1. 産業別実効為替レートの計算方法

実効為替レートの計算方法

日本銀行が行っていた実効為替レート計算手法に準じ、ウエイトを各年で更新して集計する連鎖指数方式を用いる。たとえば2005年からの日次の実効為替レートを計算する場合、t年第m期(m番目のサンプル日)のj産業の実効為替レート(EERj,t,m)は、以下のような算式で算出される。

t年第m期のj産業の実効為替レートの計算式

ここで、Et-1j,t,1j産業のt-1年の輸出額ウエイトを用いて計算されたt-1年第1期(当該年の最初のサンプル日)からt年第1期までの同レートの変化率を示す。

t-1年第1期からt年第1期までの変化率

ただしERi,t,1t年第1期におけるi国通貨の円に対する為替レート、W i,j,t-1t-1年における日本のj産業のi国に対する輸出ウエイトである。

また、Etj,t,mj産業のt年の輸出額ウエイトを用い、以下の加重幾何平均算式で算出されるt年第1期から第m期までの名目実効為替レートの変化率。

t年第1期から第m期までの名目実効為替レートの変化率

ここでERi,t,mt年第m期におけるi国通貨の円に対する為替レート、Wi,j,tt年におけるj産業のi国に対する日本の輸出ウエイトを表す。

このように連鎖指数方式の産業別実効為替レートは、「産業ごとに当該年の輸出額ウエイトを用いて算出される、各年の実効為替レート変化率の積」となる。名目実効為替レートを計算する場合、ERは各国通貨の円に対する名目為替レートとなる。実質実効為替レートの計算においては、ERは各国通貨の円に対する実質為替レートとなる。

2. 産業別実効為替レートの算出

貿易相手国の選択

産業別の実質実効為替レートを計算するためには、以下で述べる各産業の物価データが必要である。この条件を満たす27カ国を用いて実質および名目実効為替レートを計算する。この27カ国は表1にまとめられている。

表1. 実効為替レート算出に用いる27カ国表1. 実効為替レート算出に用いる27カ国

ウエイトの算出方法

実効レートを計算するための貿易ウエイトとして、ここでは輸出ウエイトを用いる。自国以外の他の26カ国向け輸出額の合計を産業ごとに計算し、それを各産業の「総輸出額」とみなして毎年計算する。各年の輸出ウエイトは当該年から過去3年間の輸出額をベースにして算出する。また、直近年の輸出ウエイトの更新は、最新の輸出データを入手できた時点で行う。

産業の分類と物価データ

実効為替レートの計算では、国際標準産業分類 (International Standard Industrial Classification: ISIC) Rev.3の2桁分類における製造業23部門のうちの21部門を対象としている。この21部門を13部門に統合することによってデータを構築した。この13部門の産業分類の詳細は表2に示されている。

なお、全27カ国がISIC.Rev3の2桁分類に基づく21部門のすべてに対して産業別の物価データを公表しているとは限らない。13部門に統合する段階でISIC2桁分類のデータが入手できない場合は、入手可能な2桁分類のデータを当該部門の代表的な物価指数と仮定して、産業別物価データを構築している。物価データの出所については表3を、物価データ構築方法の詳細については、Sato, Shimizu, Shrestha and Zhang (2013) を参照されたい。

表2. 産業分類表2. 産業分類

産業別実質実効為替レートの基準時点

産業別の物価データは、オーストラリアは四半期データで、その他の26カ国はすべて月次データである。データは2005年1月の最初のサンプル日を100として指数化し、算出している。各国の産業別物価データが毎月更新されるのに伴い、最新の物価データを用いて実質実効為替レートの更新を行う。なお、物価データは更新されるたびにCensus X-12による季節調整を行って、実質実効為替レートの計算に用いている。

表3. 産業別物価指数のデータソース表3. 産業別物価指数のデータソース

貿易ウエイトの計算方法

輸出データはUnited Nations Commodity Trade Statistics Database (UN Comtrade) より入手している。輸出ウエイトは、産業ごとに主要輸出相手国向け輸出額の合計を計算し、それを各産業の「総輸出額」とみなして毎年計算する。各年の輸出ウエイトは当該年から過去3年間の輸出額をベースにして算出する。また、直近年の輸出ウエイトの更新は、最新の輸出データが入手できた時点で行う。

13部門での実質および名目実効為替レート

産業別の実質実効為替レートを13部門で公表するのに伴い、同じ13部門で産業別の名目実効為替レートも公表する。産業別実効レートの国際比較の観点から、ISICに基づく13部門の産業別実効為替レートを実質と名目の両方で公表することとする。なお、2011年5月から公表していた8部門の日本円の産業別名目実効為替レートについては公表を終了する。

データ

※図をクリックすると拡大されます。

※最終更新日:2014年10月24日

日本(13分類、2005年1月〜)

Highslide JS
実質実効為替相場 [CSV:252KB]
Highslide JS
名目実効為替相場[CSV:258KB]

中国(13分類、2005年1月〜)

Highslide JS
実質実効為替相場 [CSV:276KB]
Highslide JS
名目実効為替相場 [CSV:277KB]

韓国(13分類、2005年1月〜)

Highslide JS
実質実効為替相場 [CSV:251KB]
Highslide JS
名目実効為替相場 [CSV:253KB]

名目実効為替相場(8分類、2000年1月〜2013年3月)

[CSV:228KB] ※このデータの更新は終了しました。

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