AMU and AMU Deviation Indicators

アジア通貨単位CMI(AMU-cmi)とAMU-cmi乖離指標

アジア通貨単位CMI(AMU-cmi)のデータ新設の目的

RIETIと一橋大学COEの共同プロジェクトとして2005年9月より開始されたアジア通貨単位(AMU)は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の10カ国、および日本、中国、韓国の合計13カ国の通貨で構成される共通通貨バスケットである。AMUのバスケット・ウェイトは、欧州通貨制度(EMS)の下で採用した欧州通貨単位(ECU)を算出する際に用いた手法に基づき、東アジアの13通貨をそれぞれの域内貿易シェアと購買力平価で測ったGDPシェアの算術平均によって算出されている。しかしその計算方法についてはこれまで多くの議論がなされてきた。

この度2009年5月3日にインドネシアのバリで行われた第12回ASEAN+3(日中韓)財務大臣会議において、チェンマイ・イニシアティブのマルチ化(CMIM)が2009年末までに機能させることで合意されたことを受けて、新たにAMU-cmiを創設することにした。AMU-cmiの特徴としては、以下2点が挙げられる。

  1. CMIMの資金総額1200億ドルに対する各国の貢献額の割合をバスケット・シェアとして採用する。
  2. CMIMに新たに参加する香港をバスケット構成通貨として採用する。

尚、AMU-cmiのバスケットウェイトは、2010年5月の第13回ASEAN+3財務大臣会議(ウズベキスタン・タシケント)で決められた各国の貢献額に基づいて算出される。

AMU-cmiのバスケット・ウェイトは以下のようになる。

表:CMIMの貢献額とAMU-cmiのバスケット・ウェイト (benchmark year=2000/2001)

表のAMU-cmiウェイトを用いた以下の式により、AMU-cmiの対米ドル‐ユーロ為替レートを算出することができる。

AMU乖離指標は、2000年5月に合意された東アジア域内における通貨危機再発を防止するための二国間通貨スワップ取極(BSA)のネットワークの構築等を内容とするチェンマイ・イニシアティブ(CMI)下での域内経済のサーベイランス(相互監視)指標として提案するために創設されたものである。AMU-cmiおよびAMU-cmi乖離指標は今回の合意に対応した新たなサーベイランス指標として今後活用されることが期待される。

AMU-cmiおよびAMU-cmi乖離指標の計算は、AMUおよびAMU乖離指標の計算手法と同様に行われているが、AMUと異なり年毎のバスケット・ウェイト改定は行われない。各通貨のベンチマーク為替相場を決めるベンチマーク期間は、加盟各国の域内貿易収支の合計、および加盟各国の対日貿易収支の合計が均衡状態に最も近い期間として2000年・2001年の日次為替相場の平均値として決められている。