国内に工場を持たない製造企業:日本の実態と特徴

執筆者 森川 正之 (理事・副所長)
発行日/NO. 2016年2月  16-J-006
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概要

グローバルな付加価値連鎖が深化する中、先進国の製造企業のサービス化が進んでいる。そうした中、「工場を持たない製造企業(FGPs)」が注目されている。一方、日本では製造拠点を国内に維持することへの関心が強い。本稿は、日本における工場を持たない製造企業の実態について、経済産業省「企業活動基本調査」のミクロデータを使用して概観する。日本のFGPsは、情報通信業や卸売業に産業格付けされた企業が多いが、小売業やサービス業の企業も存在する。FGPsは企業規模が大きく、生産性や賃金が高い。また、研究開発投資をはじめとする無形資産投資に積極的で、本社機能部門が大きい傾向がある。タスク・レベルでの国際分業が深化する中、優れたFGPsの成長は、日本経済全体としての「稼ぐ力」の強化に寄与することが期待される。

※本稿の英語版ディスカッション・ペーパー:16-E-065