経済安全保障と企業 (1) －デジタル産業の観点から－

米中対立の構造化、ロシアのウクライナ侵略、WTOの機能不全、経済の武器化等日本を取り巻く国際経済秩序は揺らいでいる。
本セミナーは、日本の対外経済政策の舵取りを担ってきた、前・経済産業審議官の平井裕秀氏（現経済産業省顧問）が、経済安全保障について、先端的な研究に取り組む大学等の有識者、ビジネスの現場で対応している企業幹部、当該分野に精通した政府関係者（OB含む）等と議論するRIETIセッションシリーズ。
第1回の鈴木一人氏、第2回の兼原信克氏に続く第3回は、Cdots合同会社の小柴満信氏をお招きし、産業のコメとも呼ばれる半導体を端緒として我が国の経済安全保障を考える。小柴氏は1981年に日本合成ゴム（株）（現JSR（株））に入社後、米国のシリコンバレーへ赴任し、2009年から代表取締役社長、2019年より代表取締役会長に就任され、日本の半導体・デジタル産業を企業側の視点から支えてきた。経済安全保障との関連では、経済同友会にて経済安全保障を担当する小柴氏から、これまでの経験を踏まえて、変革期を迎える国内半導体・デジタル産業の今後の在り方についてお話しいただく。
小柴氏のご説明の後は、半導体分野を含む数々の国際交渉をリードしてきた平井前・経済産業審議官を交え、日本の経済安全保障をより強固なものにするため、日本の産業界や経済産業省に求められるものは何か、議論を深めていく。