執筆者 |
大野 由夏 (北海道大学) |
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発行日/NO. | 2013年7月 13-J-050 |
研究プロジェクト | グローバル経済における技術に関する経済分析 |
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概要
本稿ではシンプルな3期モデルを用いて、特許侵害訴訟とノンプラクティシング・エンティティー(NPE)の、企業の技術選択に与える影響を分析する。ここで言う技術選択とは、開発された新技術をどの程度新製品に組み込むかということである。新製品の技術仕様は特許侵害訴訟を避ける為に恣意的に下げられる可能性があり、特許侵害訴訟が均衡で起こらない場合でも消費者余剰を下げる可能性がある。NPEが特許を保有する場合はプラクティシング・エンティティーと比較して訴訟が起きるタイミングが遅く、技術仕様が高くなる可能性がある。通説に反し、NPEの特許所有の方がプラクティシング・エンティティーの保有より望ましい可能性がある。