執筆者 | 下津 克己 (東京大学) |
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研究プロジェクト | 産業政策の歴史的評価 |
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このノンテクニカルサマリーは、分析結果を踏まえつつ、政策的含意を中心に大胆に記述したもので、DP・PDPの一部分ではありません。分析内容の詳細はDP・PDP本文をお読みください。また、ここに述べられている見解は執筆者個人の責任で発表するものであり、所属する組織および(独)経済産業研究所としての見解を示すものではありません。
政策史・政策評価プログラム (第三期:2011~2015年度)
「産業政策の歴史的評価」プロジェクト
1974年の施行から1992年の運用緩和までの期間、大規模小売店舗法は、大規模小売店舗の出店ならびにその開店日・店舗面積・閉店時刻・休業日などを厳しく制限することにより、中小小売業者を保護してきた。
消費者の厚生の観点から見ると、この政策が小売価格にどのような影響を与えたかは重要な問題である。しかしながら、大規模小売店舗が小売価格に与えた影響の実証研究は非常に少ない。数少ない実証研究であるAbe and Kawaguchi (2010) は、POSデータを用いて、大規模小売店鋪の出店が周辺小売店の販売価格を0.4%-3.1%引き下げることを示した。
本論文は、1977-1992年の市レベルの価格データならびに大規模小売店鋪面積のデータを用いて、大規模店舗の存在が価格水準に与えた影響を検証した。統計的分析によって、大規模店舗の相対的店舗面積の10%の上昇は、農水畜産物・食料工業製品・繊維製品・耐久消費財の価格水準を0.3%-1.3%引き下げたことが実証された。
被説明変数 | 係数の推定値 | 標準誤差 |
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農水畜産物の価格水準 | -5.44 | 2.63 |
食料工業製品の価格水準 | -7.74 | 1.59 |
繊維製品の価格水準 | -13.3 | 4.61 |
耐久消費財の価格水準 | -0.98 | 1.56 |