調査の目的
精神症状の評価は伝統的に質問票を使った評価尺度によるものが中心で、症状の自覚が困難な軽症者の症状を客観的に評価できるかが問題とされてきた。この問題に対応できそうなITを使ったツールとして、音声をスマートフォンなどに吹き込むだけで感情のレベルを把握できる技術が開発されており、これらを活用することによって、精神状態やその反映である身体反応(自律神経系)の評価が客観的に行える可能性がある。
しかし、これまでのところ、このIT を使ったツールを介入評価尺度として使った検証はまだ十分に行われておらず、信頼度について疑問があるため、現在開発されている「音声感情認識技術」がメンタルヘルスのスクリーニングと景気予測に応用可能かどうかを検証する。
調査概要
- 調査対象
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調査会社が保有する調査モニターのうち、20歳以上69歳以下の男女
- 調査手法
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①スクリーニング調査
②同一人物による音声の吹き込み、および質問項目によるウェブ調査を1か月おきに3回実施 - 有効回収数
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1,847件
- 実施時期
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平成27年(2015年)9月〜平成28年(2016年)2月
関連リンク
- 2016年9月 16-J-054
「"声"だけで、うつ病はどこまで診断可能か? 〜音声感情認識技術にアンサンブル型機械学習モデルを応用したうつ病スクリーニング機能に関する精度の検証」 (宗 未来、竹林 由武、関沢 洋一、下地 貴明) - 2016年9月 16-J-052
「収入と暮らしに関する将来予測と幸福度・メンタルヘルスの関係:消費者態度指数の質問を使った検証」 (関沢 洋一、後藤 康雄、宗 未来、野口 玲美、清水 栄司) - 2016年8月 16-J-050
「信頼と心理指標(抑うつ度、不安度、ネガティブ感情、ポジティブ感情)の関係の検証:心理介入によって信頼を向上させることができるか?」 (関沢 洋一、宗 未来、野口 玲美、山口 創生、清水 栄司)