事業の背景と目的
日本のソフトウエア産業が弱い原因として、カスタムソフトが中心で、パッケージ型ソフトの割合が少ない点があげられる。世界市場で流通するのはパッケージ型のソフト(汎用ソフト)であり、カスタムソフトではないからカスタムソフトに資源を割く限りは、世界市場での競争力は持てない。また、カスタムソフト中心であることが、日本企業のIT化による革新を妨げている可能性もある。なぜ日本ではカスタムソフトが中心なのだろうか。この傾向はこれからも続くのだろうか。従来この問いはソフトウエア企業が系列化されていることなど供給側から分析されることが多かったが、今回はこれをユーザ企業の観点から分析する。すなわち、なぜ日本の企業は世界的には主流ではないカスタムソフトを使い続けるのだろうか。この問いへの答えをアンケートによって探ることを目的とする。
調査概要
- 調査対象
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全製造業と主要なサービス産業(卸売・小売業、建設業、運輸業、情報サービス業、ノンバンク金融業)の事業所約5,006s
- 調査手法
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郵送で調査票を発送、郵送またはウェブサイト経由で回答
- 実施時期
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平成19年(2007年)9月
- 回収数
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1,126s (22.5%)
- 調査事項
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①カスタムソフトとパッケージソフトの利用比率
②ソフトウェア導入費用
③ソフトウェア利用状況
④情報システム利用による効果 など
関連リンク
- 2010年4月 10-J-027
「日本企業のソフトウエア選択と生産性-カスタムソフトウエア対パッケージソフトウエア-」 (田中 辰雄)