政策研究領域(隣接基礎研究領域) A. 金融構造、コーポレート・ガバナンスの展開等、企業関連制度

地方分権・国際競争時代における地方活性化に向けたインフラ資産活用に対する行財政制度のあり方に関する実証的、国際比較制度分析-地方港湾の行財政運営制度・統治システムに関する考察-

プロジェクトリーダー/サブリーダー

赤井 伸郎 顔写真

赤井 伸郎 (ファカルティフェロー)

リーダー

プロジェクト概要

2008年度~2009年度

成熟化社会を迎え、多様化したニーズに応えるため、地方が自己責任で行財政運営を効率的に行える制度に向けた改革が必要となっている。そのためには、国と地方の役割分担、住民によるガバナンスと行政のアカウンタビリティー、官民の役割分担の適正化が必要である。このような時代背景のもと、地域経済運営の重要な要素となるインフラ資産のひとつが、港湾である。しかしながら、これらの事業分野では、国と地方の役割分担が曖昧であり、地方が連携も通じながら自己責任で運営を行い、地方経済を活性化させるのに十分柔軟な行財政制度の整備はいまだなされていないと思われる。

具体的に財政的な視点から港湾を見てみると、国の港湾に関わる財政制度としては、国の港湾整備特別会計があるが、特別会計が生み出す効果の理論的背景の整理、港湾整備特別会計の財務諸表の詳細、個別港湾へのトランスファーの背後に潜在する再分配効果の推計、国による港湾整備補助が生み出す事後的な地方港湾の運営効率性への効果の分析は全くされていない。

また、地方港湾の財政に関しても、港湾独自の会計指標が十分では無く、どのように運営されているのかが住民などに十分説明されていない(アカウンタビリティーの欠如)。港湾のアカウンタビリティーの不備や国の規制が、所有形態、地域連携、地方港湾の運営効率性や地方自治体の将来に向けた取り組みにおよぼす影響も、理論的にも、実証的にも、十分には分析されていない。

本研究では、これまでの研究とは違った視点から、地方港湾を効率的に運営し地方経済を活性化する行財政制度のあり方を、多方面から検討する。

プロジェクト期間: 2008年6月16日 〜 2009年6月30日

主要成果物

2009年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー