社会的ジレンマでフォーマルな罰則をいつ遂行すべきか?

開催日 2022年5月26日
スピーカー 亀井 憲樹(RIETI客員研究員 / 慶應義塾大学経済学部 教授)
モデレータ 佐分利 応貴(RIETI国際・広報ディレクター / 経済産業省大臣官房参事)
開催案内/講演概要

世の中の取引の多くは社会的ジレンマによって記述できる。セルフ・コントロール能力という切り口から、フォーマルな罰則制度に対する人々の選好を分析した。実験結果によると、自身のセルフ・コントロール能力が乏しい場合には、人々はフォーマルな罰則制度を通じて社会的ジレンマを解決することを望み、実験では実際にそれにより高い協力を達成した。本結果は経済学における「コミットメント」理論と整合的である。つまり、人々が社会的な利益と反する利己的行動を抑えることができない場合にはフォーマルな罰則を遂行することが社会的に望ましく、また、それが人々の集合的選好と合致することを示唆している。