2017年版中小企業白書及び小規模企業白書

開催日 2017年5月24日
スピーカー 伊奈 友子 (経済産業省中小企業庁事業環境部調査室長)
モデレータ 池内 健太 (RIETI研究員)
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第1部では、最近の中小企業・小規模事業者の動向について、景況が緩やかな改善傾向にあるものの、改善の度合いは企業規模や組織形態等によって異なることに加えて、設備投資や売上高の伸び悩みといった課題に直面していることを明らかにした上で、中小企業・小規模事業者のライフサイクルと生産性、及び雇用環境と人手不足の現状について分析を行っています。

第2部では、中小企業・小規模事業者のライフサイクルに着目し、起業・創業、事業の承継及び新事業展開による成長について分析を行っています。起業・創業については、起業前の起業希望者・起業準備者は性別や年齢等によって様々な課題を抱えており、また起業後についても、各成長段階において適切な資金調達や人材確保等に取り組むことが重要であることを示しています。

事業の承継については、経営者が承継の準備に着手する上では、周囲からの働きかけが重要であること、事業承継やM&A等の検討に当たっては課題が多く、対策・準備が進んでいないため、専門家と連携しながら多様な課題に対応できる支援体制の構築が必要であること、また、廃業の際も自社の事業や資産を他社に譲りたいと考えている者もいるため、こうした経営資源が円滑に次世代に引き継がれる循環を形成していくことが重要であることを示しています。

新事業展開については、外部リソースの活用も視野に入れながら新事業展開を積極的に実施していくことが重要であること、IoT等の新技術やシェアリングエコノミーといった新たな経済の仕組みについて、活用している企業は少ないものの、売上高増加や業務コスト削減等の効果を感じていることからも、中小企業にとって成長の機会につながることを示しています。また、地域経済を支える小規模事業者が、自社の強みを把握し、効果的なPR活動を行いながら新市場開拓・新商品開発を行うことで売上拡大につながることの重要性について分析を行っています。

また、企業の各ライフステージで共通課題となっている人材に着目し、人材確保に成功している中小企業・小規模事業者は、職場環境の見直しや業務プロセスの改善を行いながら多様な人材を活用していること、IT化や省力化、外部資源を有効に活用することにより、人材不足の中でも成長に取り組むことが重要であることを示しています。

議事録

2017年版中小企業白書及び小規模企業白書のポイント

伊奈友子写真中小企業白書は2017年版が54回目、小規模企業白書は3回目となる年次報告で、今年度から小規模企業白書についても調査室で作成しています。白書は毎年テーマを決めて分析しますが、今年度は規模による違いを見るために、2つの白書で中小企業のライフサイクルという共通のテーマを取り上げました。

中小企業の景況は緩やかな改善傾向にありますが、新規開業の停滞、生産性の伸び悩みに加えて、経営者の高齢化や人材不足の深刻化といった構造的な課題が進行しています。

そうした状況の中で、どのように起業・創業を促し、新規事業展開を後押ししていくのか。また、既存企業が事業や経営資源をいかに円滑に次世代に引き継いでいくのか。企業のライフサイクルの動向に注目し、人材不足という各ライフステージ共通の課題と併せて分析を行いました。

第1部 中小企業・小規模事業者の現状

中小企業の経常利益は過去最高水準となっていますが、大企業と比べると改善の度合いはやや小幅となっています。景況感も大企業の方が中小企業よりも良く、中小企業の中でも規模の大きな企業の方が良くなっています。

中小企業の売上高、生産性は伸び悩んでおり、大企業との格差が広がっています。その背景の1つには取引条件の問題があり、中小企業が利益をうまく確保できていないと考えられます。こうした状況の改善に向け、下請中小企業と親事業者との適正な取引を普及・定着させ、賃上げできる環境を整備するため、政府は「世耕プラン」を掲げて取り組みを推進しています。

中小企業・小規模事業者のライフサイクルと生産性

企業数は減少傾向にあり、2009年から2014年にかけて39万者減少しています。これには、小規模事業者の廃業が影響しています。また、存続企業の規模には変化が見られず、従業者数も横ばいですが、内訳を見ると、中規模企業で働く人はかなり増えており、小規模企業で働く人は廃業などが進んでいることもあって減少しています。1社当たりの従業者数で見ても、中規模企業で特に増加しています。

その背景にあるのは、企業の開廃業です。政府は開廃業率10%を目標に掲げていますが、2015年度の開業率は5.2%、廃業率は3.8%で、まだまだ目標には届いておりません。開廃業の状況は業種によって大きく異なり、宿泊業や飲食サービス業は開廃業が多いのに比べ、製造業は開業がほとんどなく、廃業は中程度の水準になっています。

ここで、中小企業の経営者年齢を見ると、20年間でピークが47歳から66歳に移動しており、高齢化しています。こうしたことから、近年、倒産件数は減少傾向にありますが、2016年の休廃業・解散件数は過去最多となっています。休廃業・解散企業のうち、経営者が60歳以上の割合は2007年には7割でしたが、2016年は8割強を占め、確実に高齢化が進んでいるのが現状です。

中小企業のライフサイクルが生産性に及ぼす影響を分析すると、リーマンショック後(2009〜2013年)はリーマンショック前(2003〜2007年)と比べて生産性の高い企業の開業による押し上げ幅が縮小し、生産性の高い既存企業がシェアを拡大して全体の生産性を押し上げています。一方、既存企業の生産性を上げることによる効果は若干マイナスであり、生産性の高い企業の倒産・廃業が全体の生産性を押し下げています。また、リーマンショックの前後では、生産性の高い企業が参入する割合が下がってきています。

また、廃業企業の約半数が生産性を大きく押し下げています。廃業企業は、存続企業と比べて規模は小さいものの、利益率は高い傾向にあります。もともと自分の代で辞めるつもりだった企業も含まれているとは思いますが、後継者決定率が相対的に低いので、こうした企業の後継者不足による廃業を減らすことが重要です。

中小企業・小規模事業者の雇用環境と人手不足の現状

人材を巡るマクロ的な状況を分析すると、従業員数過不足DIは2013年ごろから全業種でマイナスに転じ、不足感が生じています。業種別ではとくに建設業やサービス業が厳しい状況です。従業員規模別雇用者数は、従業員数30人未満の企業では右肩下がりで、500人以上の大企業は増加しています。日本全体で人手不足といわれていますが、規模間でも違いが表れています。

背景には職種や企業規模による給与水準のギャップが考えられます。また、人手不足の環境下でも注目すべきは、規模の小さな企業ほど女性やシニアといった多様な人材を積極的に活用していることです。

第2部 中小企業・小規模事業者のライフサイクル

わが国は国際的に見て開業率が低く、起業に関心のない人の割合も高いですが、起業に関心を持った人が実際に起業に至る割合は他の先進国と遜色ないことから、いかに起業に関心を持つ人たちの数を増やすかが重要ではないかと考えます。

実際に起業して5〜10年たつ起業家約3000人にアンケートを行ったところ、起業に関心を持ったきっかけとして多かったのは、周囲の人の勧めや周囲の起業家・経営者の存在です。

起業後の成長タイプを、短期間で上場を目指すベンチャー企業のようなタイプの高成長型(4%)、中長期的に企業規模を徐々に拡大して地域の中核となっていく安定成長型(25%)、起業して5〜10年たっても企業規模が変わらない、または規模が縮小する持続成長型(71%)に分けて分析を行っています。高成長型にはサービス業や製造業が多く、経営者が若くて起業家教育の影響が見られます。

成長段階ごとの課題を見ていくと、いずれの成長タイプでも創業期、成長初期には資金調達が課題の上位を占めますが、成長のステージが進むにつれて人材確保に係る課題のウエートが高くなり、かつ内容が多様化しています。販路開拓に関しては、創業期には販路開拓・マーケティングが課題であったのに対し、安定・拡大期には新たな製品・商品サービスの開発が大きな課題になっています。

事業の承継

事業の承継では、親族外承継が長期的には徐々に増えています。今回の調査では、中規模企業の全体の3分の1ぐらいは親族以外に事業を承継することを決定しており、多くの場合は社内からの登用になっています。

親族外承継の場合、後継者の選定を始めてから了承を得るまでに3年超かかった人が4割近く存在するため、早めに事業承継の準備を始める必要があります。それには、事業承継の準備を周囲から働き掛けられた人の方が後継者決定割合が高くなっていることから、周囲の働き掛けが有効であることが分かります。

また、後継者への資産の承継も課題になります。とくに後継者が親族外の場合、圧倒的に対策が進んでいません。事業用の資産や株式の引き継ぎは、後継者の選定と同じように準備に時間がかかるので、早めに始める必要があります。課題や必要な資金は各企業の置かれている状況によって異なるため、支援機関や金融機関が連携してきめ細かく支援する必要があります。

また、後継者はいないけれども自社の事業を継続したい、従業者の雇用を維持したいという企業では、事業の譲渡・売却・統合(M&A)が重要な選択肢の1つになります。後継者が決定していない中規模企業のうち、3分の1強がM&Aなどを具体的に検討または選択肢の1つとして考えていることから、一時期ほどM&Aに対する抵抗感はなくなってきていると見ています。

M&Aを検討するときに重視することとしては、まず従業員の雇用維持が上位に入ります。また、従業員規模が大きくなると、M&Aなどをきっかけに会社や事業をさらに発展させたいというニーズが高まることから、前向きなM&Aが検討されていると思われます。

ただ、M&Aに関心はあっても、具体的に準備や対策をしている人の割合はかなり低いことも分かっています。たとえば税務・法務などの基本的な知識を身に付けることは、M&Aの相手が見つかっていなくてもできますが、具体的なアクションが進んでいません。

その理由として考えられるのが、事業継承に関する相談相手が普段から接触機会の多い親族や友人・知人、顧問税理士や取引金融機関などであることです。地域の商工会・商工会議所や、中小企業庁が政策的に設置している事業引継ぎ支援センターなどの専門機関に対する相談が少ないのが現状です。

経営者の中には相続などの機微な問題が関わるのでなかなか相談しにくいという人も結構いますので、今後、取引先の金融機関や税理士など、事業継承のニーズをくみ取った方がいかに専門機関につなげて総合的な支援をしていくかが重要だと思います。

事業の承継は、中規模企業と小規模事業者でもかなり差がありますし、小規模事業者の中でも法人形態を取っているのか、個人事業者のままでいるのかによって課題が異なります。

小規模事業者は、親族内承継がほとんどです。事業用資産と個人用資産の分離ができておらず、親族外継承に抵抗感を持つ企業が一定割合存在することが背景として考えられます。このことは、小規模事業者、とくに個人事業者の廃業割合の高さに影響を与えていて、廃業の意向は中規模法人よりも小規模法人、小規模事業者の中でも個人事業者の方が高いことが分かっています。

小規模事業者が廃業をする上で問題になりそうなこととして、個人事業主の場合には廃業後の生活費の確保や自分の生きがいなど個人的な事柄が上位に来るのに対し、小規模法人では従業員の生計の維持や借り入れの整理が上位に挙がります。

小規模法人では廃業の際に自社の事業や資産を他社に譲りたいと考えているところも多いのですが、ここでもやはり相談相手がいないことが課題になっています。こうした状況を的確に捉えて効果的なマッチングをすることで、何らかの形で事業の承継が進むのではないかと見ています。

新事業展開の促進

新事業展開に取り組んでいる企業の方が、利益率を上げている傾向にあります。しかし、新事業に取り組んでも、成功する場合と成功しない場合があります。その成否を分けるものとして、新事業展開に成功している企業ほどマーケティングに関する課題にしっかり取り組んでいることが分かっています。マーケティングの中でも市場ニーズの把握に強みを持つ企業は、新事業展開に成功しています。

現場の営業担当だけでなく、経営の中枢を担う部門が市場ニーズの把握に取り組んでいる企業の方が、新事業展開の成功確率が高くなっていて、そのマーケティング活動もただ行うだけでなく、PDCAサイクルを回し、評価・検証までしっかり行っている企業の方が、従業員の意欲向上や人材育成の効果が感じられることが分かっています。

新事業展開ができない企業に対して課題を聞いてみると、やはり上位に来るのはノウハウを持った人材が自社にいないという回答です。解決策の1つに外部の経営資源の活用がありますが、実際に活用していない企業ではさまざまな課題を感じている割合が高いのに対し、実際に活用している企業では4割以上が「とくに問題は生じなかった」と回答しています。外部の経営資源の活用は利益にも好影響を与えているので、今後はアウトソーシングなど、外部の経営資源をいかに有効に活用して成長していくかを考えなければなりません。

加えて、新たな潮流として、IoT(Internet of Things)やビッグデータ、AIに対する中小企業の取り組み度合いを分析してみると、やはりまだまだ低いことが分かっています。新技術に対して一定の関心があることは、これから中小企業にとっても活用の芽になってくると思いますし、とくにシェアリングエコノミーへの関心度は比較的高い傾向にあります。

シェアリングエコノミーの場合、新しいサービスのプラットフォームの提供者として中小企業が新しいビジネスを展開することもあり得ますし、こうしたサービスをうまく活用することで、自社のコストを下げることもできます。

人材不足の克服

現在、日本全体で人手不足感が非常に強くなっていることは確かですが、どういった業種の、どういった部門で、どのくらい足りないのかが具体的に分からないと、対策が立てづらい面があります。

そこで、業種別・業務領域別に人材不足の状況を見ると、成長・拡大を目指す企業では、工場長や経営の中枢となるような中核人材、現場で働く労働人材ともに、人手不足感が強くなっています。

とくに中核人材の不足は、新事業展開を停滞させたり、需要増に対応できず機会損失を発生させたりと、成長・拡大を目指す企業の新事業展開に影響を及ぼしています。安定志向の企業でも、技能伝承が困難になった、事業規模を維持することが困難になったなどと感じています。

その一方で、人材を獲得するのは難しいのですが、定着させることも難しいものです。期待どおりの人数、能力の人材を採用できている企業は3分の1ぐらいで、そのほとんどが定着にも成功していることが分かっています。

人手不足の中でも採用や定着に成功し、多様な人材を活用できている企業は、職場環境の改善や業務負担の軽減など、働きやすい環境を整えることに注力しており、それが収益力の向上にもつながっています。

少子高齢化が進み、働き手が少なくなっている中で、人手不足の解決は難しい部分もあると思います。そこで鍵となるのが、女性やシニア、外国人、障がい者など、多様な人材の活用です。

多様な人材を活用できている企業の方が職場環境の整備にもしっかり取り組んでおり、さまざまな制約を抱える人材を有効に活用するために、ワークシェアを前提とした業務プロセスの見える化や業務内容の見直し・削減、社内共通の業務ツールの導入など、合理化・標準化に取り組んで業務の共有化を図っています。

こうした取り組みは企業の生産性向上に直結するので、単に多様な人材を活用するだけでなく、併せて業務の合理化・標準化にしっかり取り組んでいくと、収益力の向上にもつながっていきます。

また、人材不足の中でも業績を伸ばしている企業は、多様な人材の活用に加え、人がいなくても仕事ができるよう機械化やITの導入による省力化、アウトソーシングなどに積極的に取り組んでいます。

情報処理や一般事務処理、税務・会計などの分野はこれまでもアウトソーシングがかなり進んでいましたが、成長志向にある企業では、デザイン・商品企画や調査・マーケティングといった高度な人材が求められる業務についてもアウトソーシングによって成長を目指しています。

小規模事業者では人手不足感が非常に強くなっていますが、小規模事業者ならではの柔軟性を活用して職場環境を整備し、女性やシニアなどの多様な人材やアウトソーシングを活用できている企業の方が、うまく人手不足を乗り越えていることが分かります。

白書では、最後に「起業・創業支援施策」「事業承継支援施策」「経営力強化・生産性向上に向けた取組」「人不足への対応」の4テーマについて、中小企業庁あるいは経済産業省として取り組む施策を紹介していますので、ぜひご覧ください。

質疑応答

モデレータ:

シェアリングエコノミーとはどういうものを想定しているのでしょうか。

A:

ITなどによって遊休資産や使われていない人材をうまく活用し、ビジネスを行う形態を指します。たとえばビルの空いている場所を貸し出して、1週間だけ花屋を開いたりする例は結構あると思います。そういうチャレンジしたい実業者をマッチングするようなビジネスを想定しています。

Q:

生産性の高い企業の退出が生産性を下げているという分析でしたが、むしろ圧倒的多数の既存企業が廃業していかないことが問題ではないかと思います。既存企業の退出促進について、何か白書で触れられていますか。

A:

これから後継者不足などによる廃業が進むと思いますが、退出企業が円滑に退出できるようにすることも必要ですし、優良な企業が後継者がいないという理由だけで廃業するような事態は防ぐべきだと思います。

存続企業で全体の生産性を上げることも重要だと思うので、生産性向上に向けて法律や補助金などによる支援も進めています。既存企業の生産性を上げ、廃業企業の中でも生産性の高い企業をどうやって残すか、事業承継を契機にその企業の生産性をいかに上げるかといったさまざまな形のアプローチがあると思います。それらに中小企業庁として取り組んでいく予定です。

Q:

よろず支援拠点や事業引継ぎ支援センターの利用が少ないのはなぜですか。

A:

知名度に課題があると思うので、いかにセンターの存在を知らしめるかが重要だと考えています。

Q:

親族内承継と親族外承継で、承継後の生産性や利益率はどちらの方がいいのでしょうか。

A:

一般的に事業承継をして経営者が交代したり、若返ったりした方が生産性を伸ばす傾向にあると2016年版の中小企業白書で分析していますが、それが親族内か親族外かは今回とくに分析していません。

Q:

資本金や従業員数で線を引いて中小企業を支援していく考え方で、政策を継続していくのがいいのでしょうか。あるいは、別の形で支援していくのがいいのでしょうか。

A:

これまでとは異なる概念で、地域の中核となっていろいろな企業に影響力を持っていたり、取引ネットワークなどを通じて地域の中核になっているような中核企業を改めて支援すべきではないかという議論もあります。中小企業だけを支援することの限界もあるので、今後そういったものがさらに重点的に支援される可能性はあると思います。

Q:

インキュベーターのような動きに関して取り上げている部分はありますか。

A:

白書では、起業に関心がある人を増やすことが重要になってくるとしています。地域における創業支援計画に基づく創業支援スクールのようなものや、自治体による創業に関するコミュニティなどの動きを紹介しています。

Q:

中小企業の売り上げ・生産性が伸び悩む中、経常利益だけは中小企業も上がっているのはなぜですか。

A:

売り上げが伸びていなくて利益が上がっている背景には、コスト、とくに人件費が下がっていることがあります。この点については、2016年版の中小企業白書において分析を行っております。いかに中小企業の稼ぐ力をつけていくかが重要だと思います。

Q:

国際的に見て、日本は開業する環境に何か障壁があるのではないかと思うのですが、その辺はどう見ておられますか。

A:

制度上問題がすごくあるとか、開業にものすごくお金がかかるというわけではなく、むしろ開業しようとする人があまり多くないことが要因だと思っています。

Q:

データを継続的に非常に深く掘り下げて分析する際に、RIETIとのタイアップは非常にメリットがあると思いますが、今回や前回の白書における分析での苦労や今後の可能性について教えてください。

A:

今回の分析では、たとえば生産性の高い企業の開業が少ない問題や、生産性の高い企業の廃業が生産性を押し下げている問題を、具体的に数字で示すことができました。白書は毎年テーマを変えて分析するため、特定のデータを掘り下げて分析するのはどうしても数年に1回になってしまうので、そういった地味に継続する必要がある分析をRIETIでもやっていただければと思います。また、そうした成果を白書だけでなく、論文の形で世の中に出していくことも非常に重要だと考えていますので、今後とも連携を深めていければと思っています。

この議事録はRIETI編集部の責任でまとめたものです。