大分市・RIETI経済シンポジウム

地方創生と経済成長:有効な政策は?(議事概要)

イベント概要

人口減少と少子高齢化の大きな影響を受ける中、地域では豊かな資源や特徴を生かしたさまざまな経済活性化策の展開が求められている。シンポジウムでは、大分の地方創生や経済活性化に取り組む方々と藤田昌久RIETI所長が、地方創生と経済成長に有効な政策について議論を深めた。基調講演では、藤田所長が空間経済学の視点から、日本を世界に開かれた多様な「輝く地域」の連合体として発展させ、「イノベーションの場」とすべきとの見方を示した。続くディスカッションでは、大分が伝統的に持つ多様性への包容力を生かし、周辺地域とも連携しながら、多様性から生まれる新たな発想や刺激を経済政策や魅力づくりに取り入れていくことの重要性を確認した。

議事概要

開会挨拶

佐藤 樹一郎 (大分市長)

シンポジウムへの参加に、まずは心から御礼を申し上げる。共催者であるRIETIは、経済と産業に関する諸課題を研究する独立行政法人研究所であり、私も副所長を2年間務めていた。本日は、空間経済学の世界的権威であり、ノーベル賞を受賞したポール・クルーグマンとの共著もある藤田所長に基調講演をお願いしている。その後には、大分の地域特性を踏まえてディスカッションをする予定である。大分の経済発展について、さまざまなヒントを頂けるのではないかと大いに期待している。皆さまも、ぜひ今後の取り組みの糧をお持ち帰りいただきたい。

来賓挨拶

広瀬 勝貞 (大分県知事)

本日のテーマである「地方創生と経済成長」は、われわれが今一番悩み、話を聞きたいと思っているものである。地方創生ですべきことは、人口減少にくさびを打つこと、地方に仕事を呼び込むこと、地域の元気を維持発展させることである。しかし、その両立を図ることは大変難しい。経済成長のためには、省力化機械の導入によって生産性の上昇を図る必要があるが、あまり急ぐと仕事の場をなくしてしまう。また、国内マーケットが縮小する中、輸出先が確保できるかどうかも問題である。今日はたくさんのアイデアが出てくることを楽しみにしている。

基調講演「空間経済学と地方創生」

藤田 昌久 (RIETI所長・CRO/甲南大学特別客員教授/京都大学経済研究所特任教授)

空間経済学は、なぜ人々・企業が特定の地域に集まるかというミクロ理論を中心として従来の都市経済学、地域経済学、国際貿易理論を統合し、その一般化と革新を図ったものである。1990年のEU統合とボーダレス・エコノミーの進展をきっかけに発展した。

ヨーロッパの新しい経済地図を見ると、2004年の分析では、1人当たりGDPが高い地域は、ブルーバナナといわれるイギリス南部からドイツ・フランス国境、イタリア北部に至る地域と、私がブルーベリーと呼んでいるノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマークを含む北欧地域であった。つまり、交通通信技術が発達し、グローバル化して知識創造が重要視される現代においては、必ずしも経済の中心にいる必要はないのである。日本で言えば、太平洋ベルト地帯から遠いことは、発展しない理由にはならないということだ。

空間経済学では、経済活動を集積する力と分散する力のせめぎ合いで安定な空間構造が形成され、それが不安定化すると、また新たな構造へと自己組織化すると考える。分散力は、日本のように東京一極集中すると、土地高騰や交通混雑などが起こるので自然と生まれる。一方、地域の競争優位を生む集積力は、自然的条件と内生的な力によって生まれる。

大分市の場合、自然条件も良く、経済活動の多様性と差別化が補完し合い、地域レベルでの集積力とイノベーション力を生んでいる。特に製造業が非常に強く、既存の分野から最先端分野までバランスが良い。ただし、今後はますますグローバル化し、技術革新(ICT、ロボット、AIなど)により工場の自動化は一層進む。それに備えて、地域の大学を強化しなければならない。今後の中心的課題は知識創造型の人材育成となるからである。多様な知の交流と人材育成のプラットホームとして、大学の役割はますます重要になってくる。

日本が直面する課題には、人口減少、生産性とイノベーション力の停滞、東京一極集中と地方の衰退がある。「知のフロンティア開拓の時代」に向けた多様性に富む経済社会を再構築し、世界に先駆けた活力あふれる高齢化社会を創造して、急速に進化するテクノロジーをフルに生かせる人的資源と社会経済システムの開発により、これに果断に立ち向かわなければならない。

日本が世界的なイノベーションの場、知識創造の場になるためには、多様性と自律性が求められる。知識創造社会では、共通知識を持ちながら固有知識を持つ多様な人材によって、新しいアイデアが生まれることが必要だからである。多様な地域を育成し、世界に開かれた知の交流と人材の流動を行わなければならない。AKB48は、メンバー1人1人は個性的で、グループ全体では非常にアトラクティブである。それと同様、「廃央創域」による競争と共生の中で、自律的な地方分権システムを構築するべきである。

また、高齢者は大きな潜在的需要者であり、潜在的資源でもある。高齢者向けの住宅、消費財、サービス、観光も多く登場してきている。高齢者が消費の主役になればよいし、社会に貢献したいと望んでいる高齢者は多いので、生涯学習の可能性を拡げるべきである。全員参加で地域を活性化し、国はそれを支えて世界をリードする高齢化社会を創造していきたい。

独自の産業集積、独自の文化・知の集積、独自の経済・社会・教育政策で、多様な「輝く地域」をつくり、その連合体として世界に開かれたイノベーションの場になることが、日本の発展の道である。

パネルディスカッション

報告1「地方創生と経済成長:有効な政策は?」

佐藤 泰裕 (大阪大学大学院経済学研究科准教授)

人口減少は働き手の減少や購買力の低下、市場規模の縮小を招くため、空間経済学では重要なファクターとして人口移動に注目する。

大分県の人口は1980年代以降減少しているが、移動した人の半分近くは福岡県に向かい、その他は三大都市圏に向かっている。その理由の大勢を占めるのが大学進学であり、Uターン就職する人は少ないため人口減につながっている。そこで、高等教育機関の誘致・再編・支援が人材流出を食い止める策になると考え、事例を探してみた。

東広島市は、総合大学である広島大学と近畿大学を誘致した。誘致が決まるまでは広島市域に人口を吸い取られていたが、誘致が決まったころから反転し、今も人口の伸びが続いている

別府市は、立命館アジア太平洋大学(APU)という特色ある大学の誘致により、人口面で東広島市と同様の傾向が見られている。開学後、大学進学者の流出が1000人ほど緩和され、経済効果も出ている。

高知県は、既存の高知工科大学を公立化して支援する形を取った。小規模なので効果は小さいが、県外への人材の流出の食い止めに少しは役立っているようである。

大学誘致は他の産業政策と組み合わせることが重要で、差別化がキーワードとなる。大分県は「温泉県」として売り出しているが、観光業が全体の経済活動に占める割合は全国平均よりも低い。他県がまねのできないもの、大分県が比較優位をもつものを組み合わせて一体化して売り出し、付加価値を高めていくことが有効と考える。

報告2「大分経済の現状と課題」

姫野 淸高 (大分商工会議所会頭/株式会社桃太郎海苔代表取締役社長)

大分市では今年、JR大分駅、北口駅前広場、県立美術館などがオープンし、中心市街地に巨大ショッピングモールが誕生した。また、東九州自動車道の開通により循環型高速交通体系が形成され、経済成長のためのインフラ基盤も整備された。

ただ、人口は大分市では増えているものの、県全体では平成22~26年の間に4800人減少している。これは毎年約48億円の個人消費の減少を意味している。電気料金は一般家庭で20%、製造業で30%以上も上がっているが、九州電力の電気料金は北陸電力に次いで2番目に安いので、これがうまく利用できないかと考えている。

平成27年6月時点で、大分県への外国人旅行者は前年比58.5%増えているが、観光立県としては不十分である。県内の免税店も昨年4月の15店から今年4月には93店になったが、まだまだ少ない。免税店やATM、Wi-Fiの整備は喫緊であると感じている。

九州の主要8産業(鉄鋼、化学、石油、電子・デバイス、電気機器、業務用機器、輸送用機器、食品)の統計を見ると、大分県は軒並み1~2位を占める。しかし、残念ながら食品は7位である。大分県にはシイタケやカボス、時期によってはタチウオ、ギンナン、サフランなど、日本一の産品がたくさんあるので、6次産業化にしっかり取り組まなければならない。地方創生に潤沢な予算がつぎ込まれる状況は、長くは続かないであろう。これからの2年間が大分の未来を決める創世の年となる。

報告3「地方創生と経済成長」

宮坂 純子 (全日本空輸株式会社大分支店長)

2015年の訪日外国人数は1500万人を超え、2020年に2000万人という政府目標を早くも突破する勢いである。外国人の消費額も、対前年同期比177%となっている。したがって、地方がこぞって格安航空会社や外国航空会社の誘致に力を入れており、地方空港からの国際定期便はこの5年で60%増えた。

平成26年の都道府県別の外国人宿泊者数を見ると、ゴールデンルート(東京、大阪、京都)が全体の50%超を占めている。大分は約40万人で、全国18位である。九州では福岡が9位なので、九州周遊プランで外国人を集めたり、ゴールデンルートから人を引っ張ってくることも重要だと思う。LCCや外国の航空会社を直接呼んでくると、多額の補助金や施策が必要になるケースが多いが、大分空港の国内線には全日空の他、日本航空、ジェットスター、ソラシドエア、アイペックも乗り入れているので、容量は既に十分だと思う。

一方で、大分県の延べ宿泊者数のうち、外国人は約40万人(6.6%)にすぎないため、大半を占める日本人旅行客の獲得をもっと考えてほしい。飛行機に乗って大分県まで来てもらうには、温泉とおいしいご飯があるだけではなかなか厳しい。

大分空港は大分駅から60分と、日本で一番市街地から遠い空港といわれている。確かに住民にとって空港までの時間や距離は非常に重要だが、観光客はバスの車窓から見る大分の風景に、大いに魅力を感じるのではないだろうか。

報告4「地方創生と経済成長~大分市の特徴と課題」

佐藤 樹一郎 (大分市長)

大分市は、昭和39年に新産業都市に指定された15都市の中で、最も成功したといわれている。それは、広大で良好な地盤の工業用地と水深30mを誇る港湾、アジアに近いという立地条件に加え、地域で素晴らしい人材が輩出されてきたからである。指定後に立地した大企業だけでなく、地場企業もその関わりの中で伸びてきている。今後も大企業が立地しやすい環境づくりを進めるとともに、中小企業の創業支援に力を入れていきたい。また、新エネルギーの活用や産業化に取り組み、雇用を創出したいと考えている。

観光も今後伸びていく分野として重要である。豊後水道や戸次本町の街並み、今市の街並み、建設が進む大分川ダム(仮称)などの観光資源を結び、従来の高崎山や「うみたまご」などと合わせて、大分市の魅力としてPRしていきたい。また、現在はJRおおいたシティとOPAM(県立美術館)が非常ににぎわいを見せているが、今後は城址公園や大友氏館跡なども新たな中心市街地の魅力として整備していく。

将来に向けた取り組みには、第2国土軸の形成がある。これが大分の発展のために重要な要素となる。第1ルートの山陽道とともに、災害対策、瀬戸内地域の発展、九州東部と四国の交流のために1970年代から検討されていたが、財政逼迫により凍結されていた。しかし、2040年代に三大都市がリニアモーターカーによって1時間で結ばれ、四国新幹線も開業すれば、大分は四国を介して三大都市と直結し、九州の玄関口になる。

ディスカッション

森川正之(RIETI理事・副所長):議論に入る前に、植村先生からここまでのところでご発言があればお願いしたい。

植村修一(大分県立芸術文化短期大学教授):私は10年以上前に大分に来たが、地域の方たちがあまり気付いていない、この土地ならではのものがあると感じている。たとえば、大分は障害者に非常に優しい地域である。経済効果という観点は別にして、ただちに観光や産業に結び付くものでなくても、大分ならではのものをぜひ見いだしてもらいたい。

もう1つは、グローバリゼーションや情報化の進展により、地域や地方という概念の捉え方が今は非常に問われている。観光客にとって、今や県境は意味がない。「おおいた」や「大分」にこだわらない、自由な発想で考えていかなければならない時代になっている。

森川理事:大分の強み、弱みは何か。グローバル化の中で大分の優位性を生かすような具体的な方策があれば伺いたい。

藤田所長:大分には山海の恵まれた自然環境がある。加えて、堅牢な地盤の港湾は、瀬戸内海ばかりか下関を通じてアジアや世界にも通じている。別府、由布院など温泉も多く、観光面でも恵まれている。新産業都市に指定され、製造業は優等生と呼ばれている。九州の先端産業である自動車や電子産業も発展している。しかし、グローバル化経済においては、人材が全てである。大分はまだ若者の数が伸びる余地がある。立命館アジア太平洋大学はその萌芽であろう。

日本全体を見ると、高齢化は特に大都市において大きな問題になっている。急増する高齢者の介護を東京圏だけで完結させていくことは不可能なので、政府も老後を地方で送ることを勧めている。大分は気候も良く、自然も豊かで温泉もある。海の幸・山の幸も豊富なので、自ら手を挙げて10万人の高齢者を受け入れてはどうか。高齢者を10万人受け入れると、それを支える10万人の若者が必要で、人口が20万人増える。1つの方向性としてそのようなことも考えられるかと思う。

もう1つ、大分は多様性を受け入れる懐の深い文化を持っている。大友宗麟は外からの文化に寛容であったし、日田市の私塾・咸宜園では「三奪の法」により学歴、年齢、身分を問わず全ての塾生が平等に学んでいた。また、身体障碍者にも非常に優しいし、ロンドンから国東半島に移住したポール・クリスティさんは、年間約3000人の外国人を相手に日本の田舎を歩くツアーを催している。ただ人口や観光客が増えればよいというのではなく、そうした大分の良いところを保ちつつ、100年単位で歴史・伝統の発展を考えるべきである。

岡野祐介所長(日本貿易振興機構(JETRO)大分貿易情報センター):近年、世界各国が海外からの直接投資誘致を盛んに行っており、日本も本腰を入れて取り組んでいる。外資を取り込めば、雇用などの経済効果をもたらし、新しい価値観やノウハウが生まれる。家具のイケアやファストファッションのH&M(共にスウェーデン)も、JETROが以前日本への進出を支援した企業であり、こうした新たな業態が現れることで若者が新たな価値観を持って購買行動を起こすようになった。また、ヨーロッパの再生可能エネルギー関連企業が幾つか日本に進出しており、大都市圏よりも地方都市で活動している事例が多い。

輸出や海外展開の促進は、対日直接投資の誘致よりもハードルは低い。今、日本食や食品に対する評価は世界的に高まりを見せており、お菓子やお茶、日本酒、生鮮食品など、大分が取り組めるものも結構ある。また、日本の自動車部品、工作機械、医療関連の機器・製品、水処理技術などへのニーズも高い。サービス産業では、日本食のレストランが海外で店舗数を増やしており、ラーメンや居酒屋もポテンシャルがあると思う。

観光客の取り込みについては、私も大分県1県で完結するより九州全体で考える方がいいと思う。北海道のニセコには、オーストラリア人が20年ほど前に設立した成長企業がある。ニセコは冬のスキーが有名だが、これに加え夏場のラフティング(川下り)など「体験する観光」の魅力を発掘し、国内外から観光客を集めている。設立当初従業員3人でスタートしたが、現在は80人。温泉を多く有する大分にとってヒントになるのではないか。

最後はやはり「人づくり」に尽きる。言語や貿易実務の知識をどう習得するか、留学生や外国人をどう活用するか、行政はどこまで介入するかなど課題は多いが、海外の力を取り込める人材を地域で育ててもらいたい。

宮坂支店長:観光面で大分が注力すべきことの1つは、温泉や食べ物など、今あるものに磨きをかけていくことで、もう1つはOPAMを含めた文化・アートである。別府で先般行われた「混浴温泉世界」にも、多くの人が訪れた。県が推進しているサイクルツーリズムやトレッキング(九州オルレ)など、新しい体験型観光も開発していく必要がある。

森川理事:新たな国土形成計画では、「コンパクト+ネットワーク」が提唱されている。また、地方創生に絡んで、企業の地方の拠点を強化するための税制なども導入されている。さらに、東京一極集中を是正すべく、高齢者の移住を促進する議論がかなり活発化している。人口減の中での大分市の都市政策について伺いたい。

姫野会頭:戦後の経済成長は、雇用を求めて大都市に若者が移住したことに支えられたが、これからは定年後にふるさとに帰す政策転換が必要だと考えている。

佐藤市長:富山市では、コンパクトシティを目指してライトレールを導入し、居住誘導策として市内に住む人や建設業者に補助金を出すなどして人を集める政策を強力に推進している。コンパクトになれば、周辺地域の下水処理やごみ収集の負担が減り、行政コストが下がる。

一方、大分市が目指しているのはネットワーク型のコンパクトシティで、大分市周辺の過疎地域では、車の運転をやめて移動手段を失ったお年寄りのために、乗合タクシーや100円バスを運行している。また、子どもたちが巣立った後、団地にできた空き家に若い人が住む場合には補助金を出すなど、見ようによっては分散政策を取っているようにも見える。

これは多様性の包容力の違いによるもので、人を集めないと行政コストが高くなって立ち行かなくなってしまう地域と、産業力が比較的まだ強い地域の差だが、大分でも将来にわたって多様性を大事にした施策が取り続けられるかどうかは大きな課題である。最も望ましいのは、子育てがしやすい郊外の団地にUIJターンで高齢者や若者が戻ってきて、3世代同居や近隣居住をしながらコミュニティをつくっていくことだ。今後、施策の整理・判断をすべき時期が訪れるとは思っている。

森川理事:一極集中の話があったが、福岡や東京もこれから人口が減って日本全体が縮小していく。アベノミクスの「新3本の矢」では合計特殊出生率を1.8にする目標を掲げているが、大分の出生率は九州では福岡に次いで低い。大分の出生率を上げるアイデアがあれば伺いたい。

佐藤市長:出生率を決める要因とされているのは、子どもを持つコストである。教育資金など子育てに直接的にかかる費用に加え、子どもを持たなければ稼げたはずの所得も費用としてカウントする。したがって、金銭的な補助と同時に、女性が復職しやすくなる行政的な支援や保育所の拡充を図る必要がある。特に大分では、住居面の補助を大分市に集中するとよいのではないか。

森川理事:女性の仕事と育児の両立についてご提言いただきたい。

宮坂支店長:古今東西、若い人が都会に憧れて出ていくのは仕方がないが、やはり子どもはふるさとで産んで育てていきたいと思う若者が増えればよいと思う。そのために保育所などの環境整備をするのは当然だが、「大分学検定」も含め、もう少し郷土愛を育てるような教育に力を入れてはどうかと感じている。

藤田所長:東京は革新性が落ちてきているので、地域の多様性を促進させて日本全体の多様性を増し、日本をイノベーティブにしていくことが大事である。その点で私が期待しているのが、大分あるいは九州全体である。

佐藤市長:いろいろな違ったものが集まって、それが相互に関連し合ったり、刺激し合ったりすることで新しいアイデアが生まれ、発展していく。海外とも、日本の他の都市とも、接して混ざっていくことの重要性をあらためて認識した。今後も多様性の包容力を大切にしながら、「大分づくり」をしていきたい。