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2009年度政策研究領域(隣接基礎研究領域)

B. 規制改革と政策評価のあり方

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(2010年2月2日現在)

残されている規制改革と客観的な政策評価のための研究を行う。

1. 電力改革における市場とネットワークに関する経済分析

活動期間:2007年7月1日〜2009年3月31日

プロジェクトリーダー

八田 達夫ファカルティフェロー

サブリーダー

田中 誠ファカルティフェロー

プロジェクト概要

我が国の電気事業制度改革を学術面からサポートするために、電力市場と送電ネットワークに関わる制度設計やパフォーマンス評価の問題について、最新の取引データを踏まえた経済分析を行う。

前年度までのプロジェクトにおいては、計量的評価分析を行うための複数のモデルの精緻化・発展が進められた。これらのモデルをベースに、蓄積されつつある実際の取引データを利用して、小売入札や卸電力取引等に関する詳細な計量的評価分析を実施する。また、市場とネットワークに関わる個別の制度設計の諸問題について、安定供給の観点に留意しつつ、現実への適用に主眼を置く調査・応用研究を進める。さらに分析対象を広げ、電力市場と密接な関係をもつガス市場についても計量的評価分析を行う。

主要成果物

RIETIディスカッションペーパー

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2. 著作権の最適保護水準

活動期間:2008年1月22日〜2010年3月31日

プロジェクトリーダー

田中 辰雄ファカルティフェロー

プロジェクト概要

デジタル化とネット化で著作権の侵害が頻発しており、ビジネスを行う前提として著作権保護の強化が必要であるという見解がある。この見解からは、保護を強くすることが知財立国のための方策とされる。しかし、その一方で、youtubeや検索エンジンなど著作権を緩くしたサービス、あるいは著作権のグレーゾーンから新しいビジネスが登場しており、著作権の縛りがあると新しい産業や企業が育たないという見解もある。この見解からは、保護の緩和こそが創造性を発揮させ、経済厚生を高めることになる。どちらの見解が正しいのだろうか?この問いに答えようとするとき、議論の重要な分岐点は、現状の保護水準で私的コピーがオリジナルの売上げをどれくらい減らしているか、である。売上げの減少が大きければ、新しいビジネスを犠牲にしても著作権を強化したほうがよいが、売上げを減らしていないのであれば、私的コピーを気にすることなく、新たなビジネスを立ち上げた方がよい。

本研究プロジェクトではこの点を実証する。すでに音楽ソフトについては実証例が多くあるが、今回はさらに動画に注目する。具体的にはyoutube、ニコニコ動画、Winnyなどで流れているテレビ番組(アニメ)や音楽の楽曲が、著作権者の売上げをどれくらい減らしているかを検証する。売上げが減っているなら保護を強化することが正当化されうるが、売上が減っていないなら、これら新しいサービスを制限するのではなく、新しいビジネスチャンスとして生かす方が経済学的には望ましいことになる。

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3. 水産業における資源管理制度に関する経済分析

活動期間:2008年5月18日〜2010年5月31日

プロジェクトリーダー

寳多 康弘ファカルティフェロー

サブリーダー

馬奈木 俊介ファカルティフェロー

プロジェクト概要

我が国の水産資源の持続的利用に資することを目的に、水産資源管理に関わるパフォーマンス評価と制度分析について、主に経済学的観点から研究を行う。近年、我が国の水産資源量の減少と国際経済環境の変化に伴って、水産業の国内生産の減少は著しく、新たな施策が求められている。本研究は、水産業の国内生産の減少要因を精査分析し、水産資源管理制度について評価分析することを目的としている。従来、国内の水産資源に関しては、主に生物学的な資源管理の観点から評価分析されており、経済学的視点は重視されていなかった。水産資源管理制度の経済的効果を明らかにすることで、さまざまな制度を経済学的観点から評価することが可能になり、水産資源管理制度の設計に資することが期待される。本プロジェクトは、改革論議に資する計量的な評価分析や具体的な政策提言を行い、経済学的観点を重視した水産資源管理制度の方向性を提示する役割が期待される。

主要成果物

RIETIディスカッションペーパー

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4. 東アジアにおける原子力発電導入計画の進展と安全性確保に向けた国際協力の現状と課題

活動期間:2009年2月10日〜2009年7月28日

プロジェクトリーダー

相樂 希美上席研究員

プロジェクト概要

原子力ルネサンスと呼ばれる世界的な原子力発電回帰の動きが近年高まっている。東アジア地域においても、日中韓で既に92基の原子炉が稼働しているのに加え、インドネシア、ベトナム、タイなどの新興国でも7〜13年後を目途に原子力発電の導入計画が進展している。原子力関連政策は、国内のみならず世界全体で、導入計画段階から稼働後の安全規制まで俯瞰的な視野で取り組むべき課題に発展している。このような状況の下、国際機関、サブグローバル・地域、二国間などの様々な階層で、原子力関連の国際政策協調が活発に進展している。本研究では、東アジア地域に焦点を絞り、この地域における適切な原子力発電導入計画と真の安全性の確保のためには、国際政策協調において如何なるコーディネーション機能が求められるかを探り、日本が取り組むべき方策についての考察を行う。

主要成果物

RIETIポリシーディスカッションペーパー

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