土地投入と地域間生産性格差

執筆者 徳井 丞次(ファカルティフェロー)/水田 岳志(元一橋大学経済研究所)
発行日/NO. 2022年3月  22-J-014
研究プロジェクト 地域別・産業別データベースの拡充と分析-地域間の分業と生産性
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概要

近年の地域間生産性格差は製造業分野からではなくてサービス業分野で生じていることは、R-JIPデータベースを使ったこれまでの分析でも指摘してきた。その一方で、サービス業では立地条件が生産性に与える影響が大きいことが指摘されている。そして、地域ごとの立地条件差は、地価に反映されると考えられている。通常のKLEMSタイプの生産性要因分解では、生産要素として資本と労働の投入を計測するが、土地投入が考慮されることはない。このため、これまで観察されてきたサービス業の地域間生産性格差は、土地投入が生産要素として考慮されてこなかったことに起因しているかもしれない。そこで、本研究ではR-JIPデータベース2021の産業分類に合わせて、1994年以降の土地投入を都道府県別に推計し、これを要素投入に加えた地域間生産性格差分析を行った。土地投入の推計方法は、総務省「固定資産の価格等の概要調書」の都道府県別、個人+法人の商業用地、工業用地の評価額を元に、実勢価格への修正を行ったうえで、「工業統計調査」などの情報を利用してR-JIP産業分類に按分し土地ストックを推計した。さらに使用者費用概念への変換係数を作って土地サービス投入を推計した。