執筆者 | 松本 久仁子 (文部科学省科学技術・学術政策研究所)/元橋 一之 (ファカルティフェロー) |
---|---|
発行日/NO. | 2018年7月 18-J-022 |
研究プロジェクト | IoTの進展とイノベーションエコシステムに関する実証研究 |
ダウンロード/関連リンク |
概要
本研究では、技術占有度と集積の外部性によるイノベーション活動の促進効果の関係を明らかにするため、日本の特許出願データを市区町村単位で集計したデータを用いてパネル分析を行った。技術占有度については、3つの指標(技術集中度、参入障壁、発明人順位安定性)を用いて、集積の外部性(MARの外部性・Jacobsの外部性)がイノベーション活動に与える効果との関係を明らかにすることを試みた。経済外部性に着目した地域クラスター政策としては、他の地域と比べて比較優位の高い技術を集中的に集めることが適切であるという結果が得られた。なお、この方向性は特許出願の集中度が低く、順位変動などのダイナミックな占有性が高い技術分野(例えば、電子回路や通信などのエレクトロニクス関係)については特に重要である。