政府の政策に関する不確実性と経済活動

執筆者 伊藤 新 (研究員)
発行日/NO. 2016年3月  16-J-016
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概要

本稿では政府の政策に関する不確実性を間接的に捉えるための尺度として世論調査の政党支持率をもとにした政権運営の不安定指数を新たに作る。それを使って政策の不確実性と経済活動の関係を実証的に調べる。その指数は1998年や2010-2012年の衆参ねじれ期をはじめ政権運営が不安定であった時期に大きく上昇している。その新しい指数を含む標準的でシンプルな多変量自己回帰モデルを推定し、その指数にショックが発生したときのマクロ経済変数の動学的な反応を描く。その結果、政策の不確実性が高まると経済全体の活動が低下することがわかった。とりわけ、その負の影響は設備投資、住宅投資、耐久財消費そしてパートタイム労動者において大きい。