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非正規労働者からみた補償賃金−不安定雇用、暗黙的な正社員拘束と賃金プレミアムの分析−

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執筆者鶴 光太郎  (ファカルティフェロー)
久米 功一  (名古屋商科大学)
大竹 文雄  (大阪大学)
奥平 寛子  (岡山大学)
発行日/NO.2013年02月  13-J-003
研究プロジェクト労働市場制度改革
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ノンテクニカルサマリー

概要

本稿では、(独)経済産業研究所のアンケート調査で得られた不安定雇用や転勤・異動に対する補償賃金に関して実証的に分析した。具体的には、非正規労働者に対して、雇用期間の短縮や転勤・異動を受け入れる場合に要求する賃金の上乗せ分を仮想的に質問して定量的に把握した。

その結果、補償賃金率の水準は、雇用形態別でみると、不安定雇用に対しては契約社員が、転勤・異動に対してはパート・アルバイトが比較的高かった。補償賃金の決定要因では、いずれのタイプにおいても、女性、年齢が高い(特に50歳以降)、危険回避的な人ほど、要求する補償率が高かった。一方、雇用形態に関わる要因では、正社員の経験がある人や正社員の職を希望する人の不安定雇用に対して求める補償は大きく、自発的にパートタイム労働に就いている人の転勤・異動に対して求める補償が大きかった。

さらには、賃金関数(時間当たり賃金と月収)を推計して、雇用形態や労働条件の違いが賃金水準に与える影響を分析して、補償賃金仮説の視点から解釈した。雇用形態別では、時間的な拘束の少ないパート・アルバイトが、また、労働者の属性別には、既婚女性や子どもの存在が賃金を有意に低くする要因となっており、労働者がワークライフバランスと引き換えにコストを負担している(相対的に低い賃金を受け取っている)可能性が示唆された。一方、雇用不安定の効果については、明確な結論は得られなかった。

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