| 執筆者 |
Sabien DOBBELAERE (VU University Amsterdam, Tinbergen Institute and IZA Bonn) ／清田 耕造 (ファカルティフェロー) ／Jacques MAIRESSE (CREST (ParisTech-ENSAE), UNU-MERIT (Maastricht University) and National Bureau of Economic Research (NBER)) |
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| 発行日/NO. | 2012年4月 12-E-020 |
| 研究プロジェクト | 我が国の企業間生産性格差の規定要因：ミクロデータを用いた実証分析 |
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概要
競争政策を企画・立案していく上で必要なことの1つは、市場の競争の実態を把握することだろう。しかし、独占や寡占といった極端なケースを除けば、市場が完全競争に近い状態にあるのか、それとも不完全競争の状態にあるのかを判断するのは必ずしも容易ではない。さらに一歩進めて、日本の市場が他国の市場と比べて競争的な状態にあるかどうかを比較するのはより難しい分析になるが、そのような国際比較が実現できれば、日本の市場の特殊性を議論する上で、有益な情報となりうる。
本研究は、フランス、日本、オランダの生産物市場と労働市場の競争状態について、製造業の企業データをもとに国際比較しようと試みるものである。これまでの生産関数の推定に関する研究では、生産物市場については不完全競争が考慮されていたが、投入物市場については完全競争が仮定されていた。本研究は、生産物市場だけでなく労働市場についても不完全競争を考慮した上で、生産関数の推定を試みる。論文では、まずマークアップ、規模の経済性、労働市場の競争度合いを同時に推定する方法を提示する。そして、その方法をフランス、日本、オランダの製造業の企業データに適用する。分析を通じて、これら3カ国の競争の実態、および各国の類似点と相違点を明らかにする。
概要（英語）
Allowing for three labor market settings, this paper relies on an extension of Hall's econometric framework for simultaneously estimating price-cost mark-ups and scale economies. Using an unbalanced panel of 17,653 firms over the period 1986-2001 in France, 8,725 firms over the period 1994-2006 in Japan, and 7,828 firms over the period 1993-2008 in the Netherlands, we first classify 30 comparable manufacturing industries in six distinct regimes that differ in terms of the type of competition prevailing in product and labor markets. For each of the three predominant regimes in each country, we then investigate industry differences in the estimated product and labor market imperfections and scale economies. We not only find important regime differences across the three countries, but also observe cross-country differences in the levels of product and labor market imperfections and scale economies within a particular regime.
