日本語タイトル:経営管理と企業パフォーマンス-日韓企業へのインタビュ ー調査による実証分析-

Management Practices and Firm Performance in Japanese and Korean Firms
-An Empirical Study Using Interview Surveys-

執筆者 宮川 努  (ファカルティフェロー) /Keun LEE (ソウル大学教授)/可部 繁三郎 (日本経済研究センター主任研究員)/Junhyup LEE (ソウル大学大学院)/Hyoungjin KIM (ソウル大学大学院)/金 榮愨 (一橋大学 / 日本学術振興会特別研究員 / 経済産業研究所 リサーチアシスタント)/枝村 一磨 (一橋大学大学院 / 知的財産研究所特別研究員)
発行日/NO. 2010年2月  10-E-013
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概要

本論文は、日韓の923企業に対して行った組織管理と人的資源管理に関するインタビュー調査をもとに、企業の経営管理手法が企業パフォーマンスにどのような影響を与えているかを実証的に分析した。まず我々は、Bloom and Van Reenen (2007)の研究にしたがって、インタビュー調査の結果を定量化した。その結果、日本企業は平均的に見て韓国企業よりも、組織管理において意思の疎通や組織目標の浸透度が進んでおり、人的資源管理についても柔軟であるとの結果を得た。特に中小企業では、日本と韓国で人的資源管理の差が大きい。このため、経営管理を定量化した指標を生産関数の中に含めて推計すると、人的資源管理の進展が企業パフォーマンスを向上させるという結果を得ている。ただし日本企業だけに限ると、人的資源管理の効果よりも組織改革を行う方が企業パフォーマンスの向上につながるという結果となる。



概要(英語)

To compare management practices between Japanese and Korean firms, we conducted interview surveys on organizational and human resource management based on Bloom and Van Reenen (2007). The average management scores resulting from the interview surveys in Japanese firms were higher than in Korean firms. The gap in the scores between Japan and Korea can be explained by more conservative human resource management practices in Korean small and medium sized firms. We regressed some indicators representing management practices on firm performance. Estimation results suggest that human resource management affects firm performance in Korean firms. In Japanese firms, we expect that organizational reform plays a role in improving firm performance in the service sector.