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なぜ大都市圏の女性労働力率は低いのか−現状と課題の再検討−

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執筆者橋本由紀  (東京大学)
宮川修子  (リサーチアシスタント)
発行日/NO.2008年09月  08-J-043
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概要

本ペーパーでは、政府が掲げる女性労働力率の数値目標の達成には大都市圏女性の潜在労働力の活用が鍵となることを提示し、様々な就業促進要因の有効性を比較検討する。

まず、女性労働力率のМ字型カーブの谷の深さの都道府県寄与度に着目し、労働力人口のコーホート変化を用いた寄与度分析から、20代後半から30代前半にかけて非労働力化した女性の56.8%が人口上位6都府県に集中する事実を明らかにした。

一方で、大都市圏の非労働力女性は地方圏よりも高い割合で就業を希望している。こうした大都市圏の非労働力女性の就業が実現すれば、約320万人の労働力人口の増加が見込まれ、М字型カーブも解消される。

次いで、大都市圏女性の就業が地方圏女性よりも困難な理由を検討した。生活時間の分析からは、大都市圏の女性が正規従業員として就業する場合、地方圏女性よりも長い労働時間を確保する必要があることをみた。親世代からの支援も、同居世帯の趨勢的低下や介護負担の増加等から中長期的に女性の就業促進要因として期待することは困難である。そして、就業を希望する女性が就業できない最大の理由が「家事・育児の負担の大きさ」であること、すべての女性が親世帯との同居に代表される家族支援を受けられるわけではないこと、保育所の待機児童が大都市圏に偏在している現実等から、大都市圏女性の就業促進策として喫緊に要請されるのは、低年齢児保育の充実を核とした公的支援の充実である。

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